日本で、ゴールデンウイーク(GW)が始まった。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、今年は「ステイホーム」週間と名付けられた、「正念場」の2週間だ。
米国では新たな感染者数がほぼ横バイで推移するようになって、経済活動が再開に向けてジワリと動き出している。それにより景気の悪化懸念が和らいできた。一方、2020年4月20日に米ニューヨーク原油先物5月限(WTI)が史上初めてマイナスとなり、原油市況が株式市場の波乱要因となったものの、それも落ち着きを取り戻している。
とはいえ、コロナ禍は引き続き株式や為替市場の懸念材料だ。どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 緊急事態宣言、延長か否か!?
日経平均株価予想レンジ:1万90000円~1万9800円
2020年4月24日(金)終値 1万9429円00銭
今週(4月27日)から5月8日までの東京株式市場の日経平均株価は、1万9000円台でもみ合う展開になりそうだ。
前週の日経平均株価は、3週ぶりに下落した。原油先物価格が史上初めてマイナス価格となったことが嫌気された。加えて、北朝鮮の金正恩委員長の健康不安報道も懸念材料となった。米国で中小企業向け追加救済策の成立の流れができたことや原油価格の反発、日本銀行の追加金融緩和の観測で一時反発する局面もあったが、日経平均株価の上値は重かった。
今週の日経平均株価は、ゴールデンウイーク(GW)入りで市場参加者が減少することから1万9000円台でのもみ合いが予想される。新型コロナウイルス関連では、米国の経済活動再開への期待感が下値を支えているものの、引き続き、楽観視できない状況で日経平均株価の上値を抑えている。
5月6日を期限としている政府の緊急事態宣言が延長されるか否かの判断が下される可能性があり、大きな焦点となりそう。また、27日には日銀、28日からは米連邦公開市場委員会(FOMC)と日米の金融政策に関する会合があり、加えて、重要経済指標の発表もあることから注意が必要だ。
東京外国為替市場 米ドルは底堅い動きが続きそう
ドル・円予想レンジ:1ドル=107円00銭~108円00銭
2020年4月24日(金)終値 1ドル=107円50銭
今週(4月27日)から5月8日までの外国為替市場でドル円相場は、ドルが引き続き底固い動きとなりそうだ。
前週のドル円相場は、ドルが弱含みの展開だったが底固い動きが続いた。原油先物価格が史上初めてマイナス価格となったことで、リスク回避のドル売り・円買いが活発化したものの、米国で中小企業追加救済策成立の流れができたことや原油先物価格の反発でドル売りに歯止めがかかり、ドルは底固い動きとなった。
今週のドル円相場は、新型コロナウイルスの経済への影響がドルの上値を抑えている状況に変化はないが、米国の経済活動再開への期待や日米の金融緩和に対する期待感がドルの下支え材料となっている。東京市場がゴールデンウイーク(GW)に入るため、薄商いとなる可能性が高いが、政府の緊急事態宣言が5月6日以降も継続するか否かに対する注目度は高い。
経済指標は、国内では4月27日に日銀金融政策決定会合と黒田東彦総裁会見、日銀の4月経済・物価情勢の展望(展望レポート)、28日に3月の失業率と有効求人倍率、30日に3月の鉱工業生産、4月消費動向調査、5月7日に4月のマネタリーベース、日銀の金融政策決定会合議事要旨が予定されている。
海外では、4月28日に米FOMC(29日まで)、4月の米CB消費者信頼感指数、29日にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長会見、米国の1~3月期GDP(国内総生産)、30日に4月の中国製造業PMI、ECB(欧州中央銀行)定例理事会、ラガルドECB総裁会見、ユーロ圏の1~3月期GDP、3月の米国の個人所得と個人支出、5月6日に4月の米ADP雇用統計、7日に4月の中国貿易収支、8日には4月の米雇用統計などが予定されている。
(鷲尾香一)