新型コロナの「真実」 クルーズ船ルポの感染症医師が明かした「パニック」への対処法

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   新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府による「緊急事態宣言」が全国に拡大して発令されて、「制限」や「自粛」をめぐって、さまざまな影響が取り沙汰されている。

   じつは、社会が感染症リスクに見舞われたときには、誰にとっても等しく危険であることから、必ずといっていいほど感染症そのもの以外の問題が表れるのだそうだ。その典型例が「パニック」。6年前に刊行された「『感染症パニック』を防げ! リスク・コミュニケーション入門」は、コロナ禍の現状を思わせる指摘が多く、今見直されている一冊。このほど6刷が増刷された。

「『感染症パニック』を防げ! リスク・コミュニケーション入門」(岩田健太郎著)光文社
  • 対処療法しかない今は「コミュケーション」も大事は対策(国立感染症研究所提供)
    対処療法しかない今は「コミュケーション」も大事は対策(国立感染症研究所提供)
  • 対処療法しかない今は「コミュケーション」も大事は対策(国立感染症研究所提供)

行く先々で感染症の流行に......

   著者の岩田健太郎さんは、神戸大学医学研究科感染症内科の教授。新型コロナウイルスの感染者が見つかり、その後感染が蔓延したクルーズ船のダイヤモンド・プリンセス号に乗船し、船内の様子を世界に伝えたことでも知られる。

   本書は、岩田教授が2014年に著した。感染症の被害拡大を防ぐために大切なことはコミュニケーションだとして、その方法を解説している。新型コロナの感染拡大につれて本書への注目度も高まり、売り切れになる書店も相次いでいた。

   岩田教授が本書を執筆していたころの2014年は、西アフリカ各地でエボラ出血熱の流行。直接のかかわりはなかったが、あちらこちらの医療者、医療機関から問い合わせを受けたという。

   米国ニューヨークで勤務していた2001年には「9.11」テロ後に起きた「炭疽菌によるバイオテロ」対策に関与。その2年後には北京で「SARS(サーズ)」対策に従事した。2009年には神戸市で見つかった「新型インフルエンザ」症例の対策に関わるなど「行く先々で感染症の流行に見舞われている」キャリアを持つ。

   これらの経験から「病原体を見つけ、その病原体を殺して治療する以上に必要」と感じたものが「コミュニケーション」だ。

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