これが実態!? 60歳定年で半減した給与を年金で補填
加えて、今回の改正では年金を65歳より前倒しで受給する場合の減額率の見直しも行われる。年金は60歳から受け取りを開始することができるが、受給開始を1か月早めるごとに、65歳の基準額から0.5%減額されるため、最大で30%の減額となる。
今回の改正では、減額幅が月0.4%に縮小され、最大の減額幅は24%となる。たとえば65歳からの受給額が年間100万円ならば、現状では70万円のところ、新たな基準では6万円増えて76万円になる。これは年金受給者にとって、大きなメリットかもしれない。
だが、65歳前に年金受給を開始すると月0.4%年金額が減額され、その年金額が「一生続く」のに加え、障害者となった場合の「障害基礎年金」、夫が亡くなった場合に妻が受け取れる「寡婦年金」などの受給資格がなくなる。
それでも65歳前に年金受給を開始する背景には、多くの企業は定年後65歳までは、給与を定年時の半額程度に減額しているため、「65歳以前に年金を受け取らないと、生活できない高齢者が多い」という現実があることを忘れてはならない。