PCR検査を早く安全に!
●つくば市と大学発ベンチャーが手を組み「3Dフェイスシールド」製作
茨城県つくば市は2020年4月22日、地元のスタートアップ企業と連携して、新型コロナウイルスの飛沫感染を予防するフェイスシールドを3Dプリンターで製作、市内の医療機関などに提供した。
つくば市は、ものづくりの祭典が開催されなど、市民らのものづくりへの意識が高いという。
フェイスシールドづくりのプロジェクトでは、つくば市に本部がある、国立研究開発法人・産業技術総合研究所の上級主任研究員、小田啓邦氏に提案を仰ぎ、神奈川大学の道用大介准教授考案の3Dプリントモデルを活用して、筑波大学発ベンチャー、株式会社revot(レボット)が製作にあたった。4月22日、85個を医療機関に納品した。
●広告宣伝・印刷会社が飛沫感染対策グッズ2点
広告宣伝、デザイン企画、印刷など幅広く事業を行っている株式会社ベン(東京都千代田区)は、小売店や物流業界の現場での飛沫感染対策用に「簡易フェイスシールド」と「ソーシャルディスタンスシール」を、製造・販売する事業を始めた。4月23日に発表した。
「簡易フェイスシールド」は、簡単に組み立てられ、サイズ調整が可能。「ソーシャルディスタンスシール」は、用途や設置場所に合わせて3種類が用意されている。
●学校や医療施設、飲食店にも...... 抗菌・抗ウイルス効果の室内用水性塗料
大日本塗料株式会社(大阪市中央区)は4月24日、抗菌・抗ウイルス効果や消臭効果を持つ室内用水性塗料「COZY PACK Air(コージーパック・エアー)」を発売した。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、飲食店や商業施設では休業や時短営業を余儀なくされており、今後はますます「クリーンな環境」が求められる。そうしたニーズに対応するため、抗菌・抗ウイルス効果がある新製品開発に努め、誕生したのが「COZY PACK Air」。室内照明の光によって光触媒機能を発揮し、菌やウイルスを短時間で不活性化する効果があるという。
●PCR検査の拡大にひと役! ボックス型と車載移動型システムを開発
イベント会場などの設計施工・運営管理のTSP太陽株式会社(東京都目黒区)は、新型コロナウイルスのPCR検査で、医療従事者や被検者の感染リスクを最小限に抑えながら、検査効率を最大限に高めた「ボックス型検査システム」と「移動式PCR検査所」を開発した。4月23日に発表した。
「ボックス型検査システム」は、医師が透明パネル越しに検査を行ない、被検者のくしゃみなどによる感染リスクから守ってくれる設計。検査ブースやテントだけでなく、消毒ガイドラインや検査予約までも含む、運営ガイドラインまでパッケージ化されている。予約システムなどは一部調整中という。
医療現場でのスタッフ不足や、防護服不足が懸念されており、「ボックス型検査システム」は医師1人あたりの検査数を最大化する事を目的に構築。医師は複数のボックスを交互に活用し、連続的な検査作業ができる。
「移動式PCR検査所」は、検査所を車両一体型にした。トラックに積載したコンテナ内にPCR検査機能を持たせ、被検者は後方の開扉部から透明パネル越しにPCR検査を受ける。医療従事者はパネル越しに検体採取を行ない、被験者の飛沫などからの感染リスクから守られる設計。検査ごとに防護服の交換もいらない。
●治療にあたる医療機関へ食品の無償支援をスタート
一般社団法人RCF、オイシックス・ラ・大地株式会社、ココネット株式会社は、新型コロナウイルス感染症の予防や治療にあたる医療従事者への食品の無償支援を行うプラットフォーム「WeSupport(ウイサポート)」を連携して運営する。4月23日から、配送を開始した。
支援先は、東京都の感染症指定医療機関を中心に全19か所の医療機関。状況により支援先を増やしていく見込み。食品協賛をするサポート企業は35社。なお募集中で、多数の企業から応募があるという。
感染症患者の治療などにあたる医療現場での大きな課題は、医療従事者へのストレスケア。医療機関からの「満足に食事を取れていない」「栄養バランスを考慮した食事が取れていない」などの声を受け、RCFなどは支援を希望する企業や団体をとりまとめ、物流を整理するため、20日に「WeSupport」を立ち上げた。