えっ、その時給、安すぎじゃないですか...... 「ハケンの品格」の大前春子は時給3000円 !(生野あん子)

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

給料は1か月37万円!?

   「特Aランク」の大前春子は、時給3000円ですから、1日8時間労働として月給約48万円。税金が引かれますので、手取りは37万円くらいでしょうか。あらゆる分野の知識を持ち、社員にもできないような難しい交渉をやってのけ、経営課題を解決するのに、月収37万円では割に合わない気もします。

   同じことを経営コンサルティングファームに頼めば、1か月でコンサルタント1人あたり500万円は支払わないといけないでしょう。春子は、相場の10分の1以下という低価格で買い叩かれているのです。 さらに、「スーパー派遣」として周囲を圧倒する彼女ですが、もし「一般事務職」として派遣されているのであれば、業務以外のことをやりすぎです。

   同僚がなくした重要なディスクを見つけるために、社外でクレーン車を操縦。会社のエレベーターが故障したら「昇降機検査資格者」の資格を駆使して社員を救出するなど、時給わずか3000円で働かされすぎといいますか......。コンサルティングファーム社員さながらの能力をもっていても、これでは大前春子自身が損してしまいます。

   彼女が「会社に縛られず、自由に働きたい」というのなら、今すぐ派遣をやめ、コンサル業を始めたほうがいいのではないでしょうか。彼女ほどの人材なら、派遣会社に依存する必要もありません。それを言っちゃあ、おしまいですが。

   「ハケンの品格」(2007年)はおそらく、高い能力をもった天才外科医が主人公の「ドクターX」へとつながる「孤高の女主人公系」ドラマの走りですが、「ドクターX」では1回の手術の報酬が1000万円です。1プロジェクトあたりと考えると、大前春子も法人を設立すれば、このくらい請求できるでしょう。自分の能力は、できるだけ高く売ったほうがいいですから。

   「ハケンの品格」2020年版は、4月19日現在、新型コロナウイルスの影響でいつ放送されるか未定です。が、15日(水)と22日(水)に、2007年の内容をまとめた特別編が放送されますので、まだチェックしていない方はぜひご視聴を。

   うがった見方かもしれませんが、現代の働き方を考えるうえでは、名作中の名作ですよ。(生野あん子)

「ハケンの品格」新シリーズはどんな展開になるのか? (画像は、日本テレビ「ハケンの品格」のホームページから)
「ハケンの品格」新シリーズはどんな展開になるのか? (画像は、日本テレビ「ハケンの品格」のホームページから)

◆ 水曜ドラマ 「ハケンの品格」 ◆
日本テレビ系。第1作は、2007年1月10日から3月14日まで。毎週水曜日22時から。主演は篠原涼子。物語は、大前春子(篠原涼子)が人材派遣会社「ハケンライフ」から派遣社員として老舗の食品商社「S&F」の営業部マーケティング課に派遣される。愛想がなく、正社員に媚びない春子の態度は周囲から反感を買うが、あらゆる資格を持つ「スーパーハケン」春子の活躍が会社のピンチを救う。ハケンライフの正社員、一ツ木慎也に安田顕、S&Fの正社員で春子の上司、里中賢介に小泉孝太郎、派遣社員につらく当たるS&Fの正社員、東海林武を大泉洋が演じている。
2020年4月15日から、13年ぶりに続編が放送される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、放送を延期。代わって、4月15日と22日の2週にわたり、特別総集編「春子の物語 ハケンの品格2007特別編」を放送している。

kaisha_20200324165529.png
生野あん子(しょうの・あんこ)
30歳代の会社員。映画、小説、ドラマなど、どんなコンテンツにもつい、社会的背景を思い描いて批評しようとする精神性の持ち主。
姉妹サイト