えっ、その時給、安すぎじゃないですか...... 「ハケンの品格」の大前春子は時給3000円 !(生野あん子)

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   この春、放送予定の篠原涼子さん主演のドラマ「ハケンの品格」(日本テレビ系)。さまざまな資格をもつ「スーパー派遣」、大前春子の活躍を描き、2007年の放送時には平均視聴率20.2%! をマークした人気作の続編です。

   社会から低く見られがちだった「派遣」が、正社員をバッサバッサと斬っていくストーリーは、下剋上的な要素もありスカッと爽快でした。ところが、今になって見返すと、大前春子の働き方には疑問も湧いてくるのです。

  • 「ハケン」という働き方、あなたはどう思う?(写真はイメージ)
    「ハケン」という働き方、あなたはどう思う?(写真はイメージ)
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「会社に縛られるような奴隷にはなりたくありません」

   「ハケンの品格」2007年版を見ると、大前春子の時給は3000円。派遣会社からは、多くの資格を持っていることや、能力の高さから「特Aランク」の「スーパー派遣」とされています。

   彼女はおそらく、事務職派遣のはずですが、なぜかクレーン車を操って同僚を助けたり(車両系建設機械運転者)、ロシア語をペラペラ喋って取引先との交渉を成立させたり(ロシア語能力技能検定)、大雪で遅れそうになった物資を、スカイダイビングで空から運んだり...... とまあ、さまざまなシーンで難関資格を披露し、トラブルを解決していきます。

   さらには、たびたび素晴らしい企画書を仕上げて社員たちを驚かせ、過去に派遣されたデパートでは経営課題を改善し、大幅な売り上げアップに貢献したことも。

   大前春子、おそるべし!

   賃金格差が拡大し、閉塞感のある現代社会にあって、「私は会社に縛られるような奴隷にはなりたくありません」と明言する主人公は、多くの共感を集めたのでしょう。

   正社員のようにダラダラ働かず、派遣先に頼み込まれても絶対に3か月で契約満了。オフは海外で過ごす......。そんな彼女に憧れる人が多かったのもわかります。

   が、これほど活躍しながら、「時給3000円」(のちに派遣先で「マグロの解体ショー」を成功させて3500円にアップしますが)は、安すぎではないでしょうか。

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生野あん子(しょうの・あんこ)
30歳代の会社員。映画、小説、ドラマなど、どんなコンテンツにもつい、社会的背景を思い描いて批評しようとする精神性の持ち主。
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