緊急事態宣言が2020年4月16日に全国に出てから、4月22日で1週間が経過したが、休業要請を受けても営業を続けているパチンコ店や風俗店が後を絶たない。
特にパチンコ店は、パチンコ依存症の客が開いている店を探して他県からも殺到。「密集」「密閉」「密接」の「3密」状態になるため、クラスターの危険性が非常に高い。
「カエルの面にナントカ」「返ってヤブヘビ」
このため、政府や大阪府、東京都などは休業要請に従わないパチンコ店の「店名公表」の強硬手段に出ようとしているが、ネット上では
「カエルの面にションベンだ」
「店を喜ばせるだけで、返ってヤブヘビ」
という声も聞かれる。いったいどういうことか――。
パチンコ店には「パチンコチェーンストア協会」や「全日本遊技業事業協同組合」といった業界団体がある。たとえば東京都の場合、それらの東京都内の下部組織を通じて各店に休業要請の周知を行っているが、従うかどうかの判断は各店に任される。
「マルハン」など大手パチンコチェーンの中には、末端の店に休業を指示しているところもあるが、中小の店では「無法状態」といわれる。
東京都や神奈川、千葉、埼玉の各県で休業店が増えると、茨城県と栃木県などのパチンコ店に客が押し寄せ、駐車場がいっぱいになり、近隣の住宅街にまで違法駐車の群れがあふれる騒ぎが見られた。パチンコ依存症の客が我慢できずに遠くの県まで開いているパチンコ店を探し回るからだ。
いっこうに休業に応じないパチンコ店への政府の強硬手段について、毎日新聞(2020年4月21日付オンライン版)は、「休業要請応じないパチンコ店、施設名公表検討 西村担当相、特措法45条適用へ」で、こう伝えている。
「西村康稔経済再生担当相は21日の記者会見で、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法(コロナ特措法)に基づく休業要請をめぐり、要請に応じないパチンコ店の公表ができる同法45条に基づく措置を適用する調整に入ったことを明らかにした」
同法45条に基づく措置では、正当な理由がなく応じない場合に法的履行義務が生じる「指示」を出すことができ、施設名も公表できる。西村氏は会見で「休業要請に従ってもらえず、県境をまたいで人が集まるケースがあると、いくつかの知事から相談を受けている。専門家も大変強い危機感をいだいている」と語ったのだった。
そして、応じない店に対する「強い措置」の具体的な指針を4月23日に発表する。