十数年続いた株式の上昇相場が、今回のコロナショックで大きく転換するかもしれません。リーマン・ショック以来の大きなショック相場です。新型肺炎問題はいまだに収束のメドは立っておらず、まだまだ予断を許さない状況が続いています。
リーマン・ショックも発生してから大底を迎えるまで、約半年ほどありました。途中、「ここまで下落したら、もう下がらないだろう」といわれた時期もありましたが、結果、半年間は下げ続けたのです。
コロナショックが起こってまだ2か月弱。株式相場は少し落ち着いてきているようにも感じますが、まだ下げる要因が多くあります。多くの投資家が大きな含み損を抱えている状況で、今どのように投資を進めていけばいいのか、考えてみました。
「うまくいかない」投資にはワケがある
現在、多くの投資商品があります。インターネットやSNSの普及とともに、個人が簡単に投資情報を得ることができるようになりました。さまざまな人が、さまざまな投資商品の魅力を伝えてくれています。それらを見て投資をはじめた人も多いのではないでしょうか。
私が感じているのは、投資は相場の状況に応じて、商品選びや売買の仕方を変えていく必要があるということです。「ショック相場」の前と後とでは同じように投資をしていても、うまくいかないと思います。相場に応じた投資商品の選択がうまくできれば、今後やってくるであろう上昇相場にも乗っていけると思います。
リーマン・ショック後の10年のように長期の相場の流れが上を向いているときは多少リスクを取ってでも、利益を出すことができたと思います。日経平均株価や米国のダウ平均株価のレバレッジを掛けたCFD(差金決済)取引やボラティリティが大きい新興国通貨に思い切って投資をして、短期でも大きな利益が取れたということもできたと思います。
これは相場の動きが安定しており、大きな変動が少ない状況だったからできたことです。途中、ギリシャ・ショックや英国のEU離脱(ブレクジット)などありましたが、これらの「ショック相場」が長引くことはなく、比較的早く上昇トレンドに戻ってくれました。
FXでもロスカットにならなければ、相場がまた戻ってきていたので、ロスカットラインを、ゆとりを持ってやっていれば問題ありませんでした。
メンタルがどんどん疲弊していく
今、相場は大きな下落が起こり、安定しない状況が続いています。つまり、「方向感がない」状況ですね。大きく下落したかと思ったら、大きく上昇する。日々出てくる経済ニュースに応じて、相場の方向が行ったり来たりしていますね。
この相場状況でレバレッジを掛けての裁量取引は、とても難しいと思います。上がると思ってロングしたけれど、大きく下落して含み損が大きくなると不安になる。だから損切りしたけれど、今度は大きく上昇して、そのまま持っていればよかったのにと後悔。下落幅や上昇幅が大きいので、うまくいけば大きく利益をとることができますが、反対に動いたときの含み損も大きくなります。
そんな状況で取引しているとメンタルがどんどん疲弊していき、相場から目が離せない状況になってしまいがちです。一度損切りしようものなら、「取り返したい」という心理が働き、余裕を持って投資できない状況になってしまいます。そうなると、いい結果は生まれません。
そんな状況になるくらいなら、今は裁量取引なら本当に少額でなくなってもいいと思えるくらいの金額でやってみるか、相場が落ち着くまではやらないというのも選択肢の一つだと思います。
たくさんの投資商品から「どれを選ぶか」を考える
逆に積み立てで投資信託や外貨を買っていくのは、いいのではないでしょうか。一括で購入するのは、今後まだ下落する可能性があることを考えると勇気がいりますが、積立型なら今後下落しても定期的に購入していけるので、相場の変動を気にしすぎる必要はありません。
実際にリーマン・ショック後から積み立てを始めていれば、結構な利益を得ることができました。「つみたてNISA」や「iDeCo」、「外貨積立」やFXでもレバレッジを1倍や2倍程度の低い設定で積み立てのように取引していくのには悪くない相場状況だと思います。
私は、今のコロナショックでは裁量取引を少なめにして、今までやっていたNISAやiDeCoはそのまま継続しています。また、ETF(上場投資信託)や米国株は、新たに積み立てでこれから始めていきたいと思っています。原油が大きく下落しているので投資していますが、こちらはかなり大きく変動するので少額でやるようにしています(ブログで運用実績などは毎週公開しているので参考にしてみてください)。
長く投資を続けていくためには、相場に応じた商品選択が大事だと思います。この商品がいい、悪いではなく、今なにに投資をすればよいのかを考えて投資商品を選択していけたらいいですね。(ひろこ)