新型コロナウイルスの感染拡大による影響を織り込んだ、この夏の「ボーナス予想」が話題になっている。
日本総研が2020年4月10日に発表した「2020年夏季賞与の見通し」によると、民間企業の1人あたりの支給額は、昨夏に比べて6.4%減と大幅なマイナスとなる見込み。一方、国家公務員は、夏季と年末の支給割合の平準化の影響などによって同0.7%増と予測されている。
コロナ禍にさらされるなか、ネットの反応はさまざま。国会や政府がコロナ対応で批判の的になっている流れから、公務員や国会議員に厳しい声が寄せられたほか、コロナの影響をさらに受けるとみられる「冬」への懸念が目立った。
リーマン・ショック以来の大幅マイナス
この夏のボーナスで、民間企業の1人あたりの支給額が前年比6.4%減となると、その額は35万7000円。予想どおりになると、リーマン・ショック後の2009年夏のボーナスが前年比9.8%減だったことに次ぐ、大幅なマイナスだ。
世界的な設備投資の抑制や自動車の販売低迷に伴う製造業の不振で、2019年度下半期に企業収益が低迷。2020年の年明けから新型コロナウイルスの影響が顕在化し、感染拡大が続いたことで、ボーナスにも影響が及んだ。
世界的な感染拡大を受けた輸出の減少、感染拡大防止に向けた休業の広がり、外出自粛に伴う国内消費の冷え込みにより、製造、非製造業ともに急速に業況が悪化。先行き不透明感や雇用不安の増大により、春闘では、製造業でベースアップのゼロ回答が続出するなど、賞与のベースとなる基本給の伸びが鈍化した。
日本総研の見通しでは、大手企業では3月以降の情勢悪化の影響が本格的に反映されるのは年末賞与となるとみている。
一方、国家公務員の前年比プラス見込みは、夏季と年末の支給割合の平準化の影響のほか、人事院勧告(2019年8月)による月給の引き上げ(0.09%増)が押し上げに作用している。