米メディア「星野源コラボ動画では支持率は伸びない!」
一方、安倍首相の「お友達」である米トランプ大統領の支持率は、一時は伸びたものの、記者会見で乱発される問題発言の影響もあって、最近は「伸び悩み傾向」に。それでも、根強い「岩盤支持層」のおかげで「平行線」を保っているところが、安倍首相との違いでしょうか。
各国リーダーと比べて、安倍首相の支持率が低下している原因はどこにあるのでしょうか?
先日、星野源さんの「うちで踊ろう」動画に重ねて安倍首相が投稿した「stay at home動画」が非難を浴びるなか、菅官房長官が「過去最高の35万を超える『いいね』をいただいている」と発言して火消しを図りましたが、米ブルームバーグは、次のようにバッサリと切り捨てました。
The video is the latest misstep in Abe's start-stop campaign against the virus.
(動画は、安倍首相の「場当たり的」なコロナ対策の、「最新版の失策」だ)
misstep:失策
「start-stop」は、文字どおり「スタート」と「停止」を繰り返すこと。この場合は「実施しては止める」つまり「場当たり的な政策」、という意味でしょうか。
ブルームバーグは記事のなかで、布マスクを全世帯に配布すると突然発表して「met with derision 」(物笑いのタネになった)ことも紹介。安倍首相がコロナ対策で「失策」続きであることを強調しています。
おもしろいのは、安倍首相の「動画騒動」を、「賛否両論」や「共感の声も寄せられている」といった「バランス」を取って報じる日本メディアと異なり、海外メディアには好意的なトーンがまったく感じられないことです。海外の目には、安倍政権のコロナ対策がそれほど「異質」に映っているのだと思います。
ブルームバーグは、安倍首相の「数々の失策」と「支持率の低下」に触れたあと、「韓国の文在寅大統領の支持率は56%に急騰している。積極的なコロナ対策が国際的な称賛を得ているだけではなく国内での支持率増にもつながった」と論じていました。
新型コロナウイルスの襲来は、皮肉なことに各国首相の「力量」を浮き彫りにしてしまいました。単なる「人気取り」や「場当たり的な施策」で上がるものではない......。安倍政権が「生命線」とする「支持率の本質」が、コロナ禍で浮き彫りになってきたと言えるでしょう。
◆ 新型コロナウイルス注目ワードVol.8 「stay at home 」(家に居よう)
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、各国でスローガンとして広がったのが「stay at home」でした。「家に居よう!」という意味で、「外出を自粛しよう」という呼びかけに使われています。シンプルな表現が功を奏して、世界中に広がっています。
Stay at home(家に居よう)
Japan issues stay-at-home order for residents
(日本政府が外出自粛令を出した)
外出自粛をすることでウイルスの蔓延を防ぎ、結果として医療従事者や多くの人たちの命を救うとされています。次のメッセージが、日本でも広く浸透することを願います。
Stay at home, Save lives
(家に居よう、そして命を救おう)
(井津川倫子)