日本企業のDXを深化させる! オートマティゴがローコード開発の海外トップ企業と業務提携

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   企業などに向けシステム開発やソリューション提供を行っているオートマティゴ(東京都江東区)が、手がけている世界有数のアプリ開発プラットフォーム(基盤)、「OutSystems(アウトシステムズ)」使った事業を拡充させ、2020年4月から新たなサービスの提供を始めた。

   このプラットフォームを使った開発で、アジア太平洋地域最大の実績を誇るフィリピン企業と業務提携を締結したことで、オートマティゴが提供する、デジタルトランスフォーメーション(DX)向けサービスのラインナップが飛躍的に向上するという。顧客開拓を進めるテコにしたい意向だ。

   オートマティゴの天野進社長に、今回の業務提携の意義と戦略を聞いた。

  • フィリピンのIT大手との業務提携について語るオートマティゴの天野進社長
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「OutSystems」なら、ヒューマンエラーがなくなる

   従来のソフトウェア開発は、手作業が少なくないことから、時間と手間がかかることや変更・修正が難しいこと、なにより「職人」による開発なので「ブラックボックス化」していることが課題だった。

   企業などのソフトウェア開発を支援する「OutSystems」はそれを、誰にでも操作できるように、プログラム生成をソースコードなしで、アイコン状のシンボルを使ってオペレーションできることようにした、プラットフォームであることが最大の特徴だ。

   ポルトガルのソフトウェアベンダー「OutSystems」が開発。従来のプラットフォームと比べて、人的にも時間的にも大幅は合理化が可能という。

   営業管理システムや社内稟議システム、情報共有システムなどの社内システムをデジタルトランスフォーメーション(DX)化したり、掲示板システムやスケジュール管理システムなどの社内用アプリを開発したり、大規模な勘定系システムや顧客管理システムなどが、数か月単位で開発できるようになる。

   しかも、システムの開発設計から管理までの全ステージに対応でき、「ローコード開発プラットフォーム」でナンバー1とされる。全世界で1200社、日本国内でも、独自にDXに取り組む自動車大手や、外資系の飲料メーカーや生命保険会社など、100社以上が採用している。

   オートマティゴ・ストラテジックビジネス部の矢島孝安部長は、

「必要なコマンド処理は機械的に行われるので記述ミスがなく、従来のオペレーションでは避けられなかった『ヒューマンエラー』が発生する余地はほとんどありません。バグと呼ばれる不具合の発生する余地がほとんどないため、システムの検証作業にも時間がかからず、プログラム完成までの行程が短期間で済むのも大きなメリットです。
当社の取引先のひとつである、ある生命保険会社の担当者は『従来の開発と比べて、3.5倍の生産性が向上した』と、Outsystems導入の意義を語っており、今回の提携についても高く評価いただいています」

と、説明する。

TESIのさまざまな開発例を応用していく

   そんな「OutSystems」の販売代理店であるオートマティゴが、2020年3月31日、フィリピンのIT企業、TRANSNATIONAL eBUSINESS SOLUTIONS(トランスナショナル・イービジネス・ソリューションズ=TESI)との業務提携を発表した。

   オートマティゴが日本の企業向けに展開する「OutSystems」の導入支援で、「一日の長」があるTESIのさまざまな開発例を応用していこうという狙いがある。

   TESIは、フィリピンの複合企業グループであるTransnational Diversified Group(トランスナショナル・ダイバーシファイド・グループ=TDG)を構成する事業会社。天野進社長は、

「TDG内には、TESIのような情報通信技術会社のほか、船舶管理や旅行・観光、物流事業などさまざまな業種にわたり、約40の企業があり、TESIは『OutSystems』を使って、これらグループ内企業ばかりかフィリピン国内のほとんどの企業向けにシステムを開発している。今回の業務提携でオートマティゴは、これらTESIの開発モデルをベースにしたサービスができるようになった」

と説明する。

   TESIは2012年からOutSystemsを使ったビジネスを開始。フィリピン国内の企業向けばかりでなく、17年にはOutSystems専門の開発センターを設立してアジア太平洋地域の国々でOutSystems関連事業をけん引している。

   この地域最大級の開発事業案件数を抱え、オートマティゴはTESIがこれまでに蓄積したテンプレートを「簡単な改修で使えるようになる」。

   たとえば企業のシステム開発プロジェクトでは、そのプロセスに「PoC(Proof of Concept)と呼ばれる実証実験を設けるケースが増えている。ITを活用したシステムやサービスの創出で、信頼性を担保するためだが、従来の手法では、だいたい数か月から、長いものでは数年に及ぶことも珍しくない。

   ところが、天野進社長によると、TESIの「OutSystems」を使った開発では、PoCの検証作業は「5日間が標準」という。

   つまり、オートマティゴはTESIとの提携で、「PoC」の実証実験も「5日間標準」を可能にし、新たに同社のサービスとして加えられることになる。さらには、TESIの熟練のサポートが得られることが強みになる。

「DXを内製化したい」企業にアプローチ

(左から)オートマティゴ・ストラテジックビジネス部の伊勢倍子マネージャー、天野進社長、同部の矢島孝安部長
(左から)オートマティゴ・ストラテジックビジネス部の伊勢倍子マネージャー、天野進社長、同部の矢島孝安部長

   DXがグローバルな潮流になるなか「ローコード開発プラットフォーム」はその存在感を増しており、世界には「OutSystems」のようなビジュアルベースのプラットフォームは100種類ほどがあるという。

   その中で「OutSystems」は、モバイル向けにもウェブ向けにも使えて、また旧来の技術基盤により構築された、いわゆるレガシーシステムにも対応するなど汎用性が高いことで優位に立つ。

   「OutSystems」の事業は、日本企業のDXの取り組みを加速するものとして、今後はさらに普及が期待できそう。オートマティゴの天野社長は、TESIとの業務提携をテコに、「『OutSystems』が日本企業でスタンダード化させたい」と、力を込める。

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