情報を載せすぎないことが「武器」になる
私の知人に、名刺にメールアドレスもケータイ番号も記載していない人がいます。彼いわく、「最初から印字していると、それが当たり前になってしまう」ということが嫌みたいです。
彼は別れ際に次のように言います。
「名刺には事務所の電話番号だけでケータイの番号が書いてありません」
「電話だと連絡がとりにくい場合がありますので、メールアドレスをお教えします」
そのように話しながら、手書きで名刺の裏にドンドン書き込んでいくのです。
相手は「他の方には教えていない情報を自分には教えてくれた」と思うので、アピールにつながります。彼にとっては常套手段ともいえますが、話のツカミが欲しい人にとっては参考にすべき手法です。
機械的に名刺を渡すだけでは、会話が広がりにくいものですが、手で書き加えるという一手間を加えることで、特別感を演出し、話の取っ掛かりができます。
最近はSNSが普及した結果、名刺に詳細情報を記載している人がいます。プロフィールを盛りすぎな人、写真もタレントの宣伝材料のようにバッチリ決めて、「座右の銘」や「ビジョン」、「格言」などを書き込んでいる人もいます。
あえて情報を載せないことのインパクトを、事前に想定することも大切だということです。情報はシンプルで載せすぎないほうが、価値が高まるのです。(尾藤克之)