「社員間格差」はあって当然だ! そんな答えを導き出した産業医の経営コンサルタントの提案

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「労働価値が異なる社員全員の幸福は不可能」

   「ターゲティング戦略」の内容は、「対応すべきターゲットを絞ることで、効率よく組織課題を解決する方法」。会社の施策が社員のマイナス感情を導いてしまうのは、会社が全社員を対象とした施策を行おうと考え、また「手段」ばかりに気をとられて突っ走ってしまうことが多いから。

   それでは、会社を救おうとしながら、結果的に誰も救えないという最悪の結果を招くことになっても不思議ではない。

   ターゲティング戦略では「どの社員たちの労働価値を満たして個人活性を上げていくのか、戦略的に優先順位を決めていくこと」が重要。たとえば、施策の際に、社員のどのレイヤーに向けたものなのか明らかにすべきと、上村さんは言う。

「労働価値が異なる社員全員を幸福にすることは不可能。不公平感は多かれ少なかれ伴う。そうした前提の中で、組織活性を上げ、企業成長を達成していくために、優先的に、『誰の』または『どの層の』マイナス感情の蓄積を減らすためのアプロ―チを行うべきなのか。そこをしっかり設定することで、その後行った施策の効果も変わってくる」

「『辞める人・ぶら下がる人・潰れる人』さて、どうする? 」
上村紀夫著
クロスメディア・パブリッシング
税別1580円

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