東京ビッグサイト、来夏の五輪開催で損失1.5兆円、5万社に影響

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   大規模見本市を開催する企業や団体などで構成する日本展示会協会(会長=浜田憲尚マイナビ専務取締役)は、東京都や経済産業省などに宛て、東京ビッグサイト(東京都江東区)で2020年12月以降に予定されている展示会を予定どおり開催できるよう求める要望書を提出した。

   東京ビッグサイトは、東京オリンピック・パラリンピックの施設として使用されるため、2019年4月から20年11月まで、使用が制限されていた。

   大会が延期されたことに伴い使用制限も延期されると、展示会主催企業や出展企業、支援企業の売り上げが大幅に落ち込むことが予想される。影響は約5万社に及び、損失額は1兆5000億円にのぼる可能性がある。

  • オリパラ延期も「使用制限」続く
    オリパラ延期も「使用制限」続く
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日本展示会協会が利用求める要望書

   東京ビッグサイトは東京五輪・パラリンピックの開催期間中、報道機関向けのメディアセンターとして使われる予定だった。そのため、一般企業の利用は2019年4月から、ほぼ20か月にわたり利用が制限され、この間の使用可能な割合は例年の51%にとどまった。

   この制限で、主催企業、出展企業、支援企業合わせて8万3600社以上が影響を受け、約2兆5000億円の売り上げが失われていると、同協会では試算している。

   東京五輪・パラリンピックは、新型コロナウイルスによる感染拡大で1年間の延期が決まったが、東京ビッグサイトの利用制限に変更は、これまでのところない。

   大会の1年延期に合わせて、東京ビッグサイトでは今年12月以降も、東展示場棟と東新展示棟の国際放送センターや、西展示棟のメインプレスセンターが据え置かれ、またセキュリティを理由に南展示棟の閉鎖が続いた場合、同協会の試算によると、主催、出展、支援の計5万160社に影響が及び、売り上げで約1兆5000億円の損失が見込まれる。

   新型コロナウイルスの影響で催しの中止などが相次ぎ、展示会業界の各社は大きな痛手を被っている。今年2月下旬以降には、約350件の展示会が中止か延期となり、厳しさを増している。

   東京ビッグサイトをめぐっては、利用を予定している各社が、この12月からは全館が使用できることを前提に、多くの展示会の開催を発表。営業活動を始めており、出展各社との契約を済ませているという。同協会は、

「もしこれらの展示会が予定通り開催できないとなれば、大きな補償問題となることは必至」

としている。

   日本展示会協会では、東京ビッグサイトの利用について20年12月から全館使用可能となることを要望。それが困難な場合の代替案として、東展示棟・東新展示棟(6万7000平方メートル)と同じ規模の「展示面積」の確保を求めている。

   同協会は20年3月31日に「要望書」を公開。4月7日に関係各所に働きかけていることを明らかにした。

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