さて、きょうは昨今猛威を振るっているコロナウィルスが、就活戦線に与えている影響について述べていきたい。
ネット上でも内定取り消しなど、さまざまな情報が錯綜しているが、そのド真ん中にいる一就活生として感じるところを綴っていきたい。
百戦錬磨の採用担当者は「通常」採用できないことをお見通し
ズバッと、結論から言おう。それはインターンシップ優遇がより顕著となり、就活市場における自分の希望する企業への入社が叶った勝者と叶わなかった敗者の二極化が、より急速に進んでしまったと強く実感している。
これはほとんどの首都圏に位置する大学にあてはまることだが、3月1日に始まる就活説明会の解禁日に、私が通う大学では3分の1の企業が、およそ10日間にもわたる学内説明会を一斉キャンセルにしてしまった。
これよって企業との接点は著しく減少し、企業理解もままならない状況となってしまった。
さて、学生が企業や業界に対する理解をイマイチ深められない状況下で、何が起こるのだろうか、答えは明白である。
名の知れた難関企業(食品などBtoC企業や大手金融機関)に応募者がより多く殺到してしまい、本来であれば説明会などを通じて就活市場における自分のレベル感を把握し戦略的に「滑り止め企業」のリストアップも行えたはずの学生が、イタイ目を見る羽目になる、のだろう。
まあ、これを自己責任と見ることも可能ではある。というのも、不利になる学生がいる一方で、結果的に内定を前倒しにもらっている学生もいるからだ。それまでの、地道な努力がモノを言ったというわけである。
マジメな学生には「同情」する
例年選考が早く大学3年の秋には、内定を出すような外資系の話をしているのではない。伝統的な大手の日系企業たちのことだ。
日系企業、特に大手は先行きが不安視される状況下でも採用戦略上、一定数の新卒を採用する必要がある。とはいっても、度重なる外出自粛要請や「緊急事態宣言」の可能性などを勘案すると、通常どおりに新卒採用が進まないのは百戦錬磨の採用担当者様の方々は百も承知だろう。
そうすると採用担当者様は本来、本選考で満たすはずだった新卒の頭数をなんとかしてインターンシップの受講生に早期選考を実施し、早めの「補填」を図ることとなる。現に某首都圏を拠点にする私鉄や金融機関などは、内定をインターンシップの受講生で、ほぼ出し終えているのかとすら感じる。
おそらくは辞退者分を本選考で、とう目論見などだろう。このように、昨年からしっかりと就職活動を始めて、企業との接点を有する就活生は焦ることなく、企業側に「囲われに行く」のが肝要なのだろう。
ただ、そうなると、今年度の就活がうまくいかないのは「自己責任」という意見は、個人的には少々酷な話だと感じる。そもそも、6月1日の面接開始と大々的に銘打っているにもかかわらず、その1年前から実質的な「本選考のインターンシップ」が始まっていたのだから、マジメに信じていた学生には同情する。
内定取り消し...... 大丈夫、「本選考」は後ろ倒しだ!
「内定取り消しについても3~4月に取り消されたら、「いったい、どうすればいいんだ!」という話である。怒り爆発であると思う。そこで私見ではあるが、この大ピンチから挽回するための方策をいくつか考えてみた。
さて、企業が採用数を絞り? インターンシップの受講生の優遇に走るなか、本選考から実質参戦となる学生は、いったいどうすればいいのか?
第一に大手企業は、それほどフレキシブルに、当初の採用人数の目標を絞らないという前提の確認だ。新型コロナ対策で採用計画を見直すなど、そう簡単に舵を切ることは難しいのでないかと推察する。
であれば、付け入るスキはあるはずだ。先日、東京では野村證券で感染者が出たように、大手町界隈は感染リスクの拡大がかなりヤバイかもしれない。採用も某銀行では一時的に採用活動をストップするというメールが届いたほどだ。
そう、つまり本選考はもう後ろ倒し確定なのだ。前倒しになったのはインターンシップ採用だけで、本選考は秋くらいにまでもつれこんでも、まったくおかしくない。
それであれば、この空白期間を目いっぱい利用しない手はないだろう。WEBによるOBOG訪問しかり、企業訪問しかり、大学も中止にしていた企業研究に勤しむ時間は無限にあるはずだ。
今まさに内定を取り消している本命企業のエントリーシートが、すでに締め切っている場合はどうすればいいのか――。
周りにその企業のインターンシップ内定者などはいないだろうか? 場合によっては、内定者の友人に直接、人事担当者を紹介してもらえれば、チャンスはあるかもしれない。
現に、そんな事例をいくつか目にしてきた。あなたが、大学生活を通じてしっかりと何かに打ち込んでいれば、その経験を人事はきっと、あなたを買ってくれるはずだ。
採用担当者様も人間だから、何か一途に頑張ってきた人にはやはり優しいと思いたい、きょうこの頃だ。(鈴木修二)