【襲来!新型コロナウイルス】海外は「手遅れ」とバッサリ! 「緊急事態宣言」は人命より経済を優先した安倍首相の「賭け」だ

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   新型コロナウイルスの感染拡大で、安倍晋三首相がようやく「緊急事態宣言」に踏み切りました。

   2020年5月6日までの1か月間、東京や大阪など7都府県が対象ですが、「いよいよ出るぞ!」と身構えていたわりには「飲食店も理髪店も営業OK!」「在宅勤務も可能な範囲で」と、これまでの「自粛要請」とあまり変わらないような......。

   そんな日本の緊急事態宣言を、海外メディアは「Too little Too late!」(手遅れ!)と、バッサリ! 大胆な対策を次々と打ち出している他国首脳と比べて、「煮え切らない」安倍首相の姿が浮き彫りになったようです。

  • 「緊急事態宣言」で安倍首相は「賭け」に出たのか?
    「緊急事態宣言」で安倍首相は「賭け」に出たのか?
  • 「緊急事態宣言」で安倍首相は「賭け」に出たのか?

英紙が指摘、「通勤電車」を放置すれば感染拡大?

   日本国内で新型コロナウイルスの感染拡大が進むなか、世界中が「いつ出るか」と注目していた緊急事態宣言。安倍首相の会見後、海外メディアが速報で報じましたが、「遅すぎる!」「効果が期待できるのか?」と、その内容を疑問視するトーンが目立ちました。

   各国メディアがこぞって使った「英語」は......。

Japan finally declared a state of emergency. But it's too little, too late
(日本がとうとう緊急事態宣言をしたが、「手遅れ」だ:カナダのネットニュース)
Too little too late:手遅れ、少なすぎるし遅すぎる

   とにかく「Too little too late」と評したメディアが多かったのですが、「今さらこれだけではどうにもならない」、すなわち「手遅れ!」という意味です。

   まず、他国が採用している「ロックダウン」と比較して、飲食店や理髪店の営業が認められていたり(制限付きで)、違反をしても法的強制力がなかったりなどの内容が「Too little」(少なすぎる=制限が弱すぎる)と批判されています。

   なかには、「国民の自主的な努力」には限界があり、在宅勤務に取り組む企業も限られていることから、「このまま満員電車を放置すれば、日本がホットスポットになる」と警告するメディアもありました。

Japan could be next coronavirus hotspot as commuters pack onto trains
(通勤者が電車に缶詰になったままでは、日本はコロナウイルス感染源になるだろう:英紙メトロ)

   海外から見たら奇妙な光景に映るかもしれませんが、このご時世、満員電車に乗りたくて乗っている人なんているわけありません!

   なぜか当初からスルーされてきた「通勤電車」のリスク。「外圧」でもなんでもいいから、声を大にしてアピールしたいところです!

「専門家会議のみなさまの助言で......」リーダーシップの欠如を露呈!?

   海外メディアは、緊急事態宣言のタイミングも「遅すぎる」と苦言を呈しています。3月下旬までは「予定どおりオリンピックを開催できる!」と豪語していた安倍首相が、感染者急増の中で「世論に押される」形で緊急事態宣言に踏み切らざるを得なかったと、「受け身」の決断だったと報じています。

Coronavirus rise in Japan spurs Abe to declare state of emergency
(日本国内のコロナウイルスの感染者急増で、安倍首相が緊急事態宣言に駆り立てられた:米FOXテレビ)
spur to do:無理やりさせる、駆り立てる

   さらに、安倍首相が会見で「専門家の助言に従って決断した」と強調したことも、ウラ目に出たようです。ドイツのメルケル首相やフランスのマクロン大統領、英国のジョンソン首相など、各国首相は「自分が決断した」ことを堂々とアピールしています。残念ながら安倍首相の態度は、リーダーシップや決断力の欠如を浮き彫りにしてしまいました。

Abe said experts on a government-commissioned task force urged him to declare a state of emergency
(安倍首相は、政府専門家会議が緊急事態宣言の発令を迫った、と発言した:米FOXテレビ)

   安倍首相は専門家会議の意見を尊重したつもりなのでしょうが、新型コロナウイルスという未曽有の危機に際して、各国首脳が発揮した「強力なリーダーシップ」と比較すると、「主体性がない」と見られても仕方ないでしょう。土壇場の底力の違いでしょうか。

英紙FTは「経済を優先した安倍首相の賭け」と批判

   なぜ、日本の緊急事態宣言が「too little too late」だったのか。複数の海外メディアは「日本は経済政策を優先するあまり、強力な対策を取らない」と批判しています。

Japan opts for emergency but 'no lockdown,' keeping its eye on the economy
(日本は経済を気にかけて「ロックダウン」ではなく「緊急事態」を選んだ:米紙ワシントンポスト)

   ワシントンポスト紙は記事の中で、経済的インパクトを最小限に押さえたい日本政府が、他国のようなウイルス封じ込め策を採用するのにまだ躊躇していて、多くの国民を憤慨させた、と伝えています。

   英経済紙FTはさらに踏み込んで「安倍首相の賭けだ」と報じました。

Japan gambles on partial lockdown to control coronavirus
(日本は、コロナウイルスの制圧で部分的なロックダウンを採用するという賭けをしている:FT)

   経済専門紙のFTですら、欧米並の「ロックダウン」を回避してコロナウイルス封じ込めを目論む安倍首相のやり方は「ギャンブル」だと、「経済優先は間違っている」とほのめかしています。

   安倍首相の新型コロナウイルス対策には国内でも批判が続出していますが、海外からも冷めた目で見られている様子。渦中にいる私たちは、とにかく感染しないように身を守ることしかできないのでしょうか?

   少なくとも「賭け」の対象にはされたくないものです。

◆ 新型コロナウイルス注目ワードVol.7「a state of emergency 」(緊急事態)

   今回は、「緊急事態宣言」に関する英語をご紹介します。

   「緊急事態」「a state of emergency」です。「宣言する」という英語は「declare 」を使うことが多いようです。

Japan declared a state of emergency
(日本が緊急事態宣言をした)

後ろに「over」を加えると「コロナウイルスで」という意味になります。
Japan declared a state of emergency over coronavirus
(日本はコロナウイルスで緊急事態宣言をした)

前置詞の「for」を使って「どのエリアで」を表します。
Japan declared a state of emergency for Tokyo, Osaka and five other prefectures
(日本は、東京や大阪、他5県を対象に緊急事態宣言をした)

(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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