警察庁が2020年3月24日に発表した「運転免許統計(令和元年版)」によると、高齢者の運転免許の自主返納は、着実に進んでいることがわかった。
その半面、運転免許証を返納する高齢者の数は都道府県によって、格差が広がっていることが明らかになった。
運転免許の自主返納、2019年は過去最多の60万人超
2019年末の運転免許保有者数は、前年比0.2%減の8215万8428人(男性4477万8696人、女性3737万9732人)となった。
このうち、65歳以上の高齢者を年齢階層別でみると、
65歳以上1885万1637人 (男性1148万1918人、女性736万9719人)
70歳以上1195万3118人 (男性768万8597人、女性426万4521人)
75歳以上582万6673人 (男性409万183人、女性173万6490人)
80歳以上が228万5660人(男性176万417人、女性52万5243人)
となっている。
これに対して、運転免許の自主返納は前年比17万9832人(42.7%)増加して、60万1022人と過去最多となった。
年齢階層別は、以下のとおり。
65歳以上57万5559人(前年比16万9042人増)
70歳以上51万5324人(前年比13万9533人増)
75歳以上35万428人 (前年比 5万8339人増)
80歳以上22万6466人(前年比 4万4784人増)
85歳以上8万8562人 (前年比 1万9239人増)
運転免許証を自主返納した場合、運転免許証に代わる公的な本人確認書類として利用できる「運転経歴証明書」を取得する人は、前年比16万448人増加して51万9188人となった。
このように、2019 年4月に東京都豊島区東池袋で発生した高齢者が運転する自動車の暴走死傷事故により、高齢者の意識が高まったことを背景に、運転免許返納が大幅に増加している。
しかし、返納は都道府県により大きな差があり、格差が広がっている。