基準価額の変化で大事なのは額ではなく「率」
では、基準価額が「0円」になってしまうことはあるのでしょうか?
一般的に投資信託は、複数の銘柄に分散して投資しています。また、組み入れている有価証券は常に同じというわけでもありません。ですから、「すべて」の有価証券の価値が「0」になり、基準価額が「0円」になるという可能性は非常に低いと考えられます。
あわせて、「株価指数が大きく下がれば、基準価額が低い投資信託ほど不利なのでは?」という質問があります。
たとえば、日経平均株価と連動する基準価額500円の投資信託があるとしましょう。日経平均株価が1000円も下がると、基準価額が「0円」になってしまうのでは、と心配される方もいるようです。
しかし大切なのは、1000円という「額」ではなく、前日と比べて何%上下したのかという「率」です。
仮に、日経平均株価の1000円の下落が前日比5%減だったとすると、基準価額500円の投資信託の下落は、500円×5%で25円程度と考えられます。「何百円も下がって0円に近づくのでは!?」という心配からすると、意外と小さい金額と感じるのではないでしょうか。
大切なのは、その基準価額に対する「変化率」なのです。基準価額の水準が低ければ低いほど、そのことを思い出す必要があります。
基準価額の水準だけを見て一喜一憂するのではなく、経済情勢などに目を配りつつ、組み入れられている有価証券について、適切な判断に努めることが重要です。(日興アセットマネジメント マーケティング部 乙部洋輔)