東京外国為替市場 ドル売り・円売り「材料」交錯
ドル・円予想レンジ:1ドル=106円50銭~110円00銭
2020年3月19日(金)終値 1ドル=108円45銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、もみ合いが予想される。
前週のドル円相場は、ドルが上昇した。ロシアとサウジアラビアが大規模な減産で協調する姿勢が示され、原油先物価格が上昇したことが主な要因。その半面、3月の米国雇用統計で非農業部門雇用者数がマイナスに転じ、失業率が上昇したこともリスク回避のドル売りにつながり、一時、1ドル=106円台までドルが下落する場面もあった。
今週のドル円相場は、もみ合いが予想される。新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済の悪化懸念が強まり、米国経済でも雇用統計や失業率の悪化などの影響が表れていることから、リスク回避のドル売り圧力は強い。
しかし、日本でも政府による非常事態宣言の発動や東京のロックダウンといった円売り材料があり、ドル円相場はドル売り材料と円売り材料に挟まれた格好になっている。そのため、動きづらい展開だ。
経済指標は、国内では7日に2月の毎月勤労統計調査と家計調査、景気動向指数、8日に2月の機械受注と国際収支、3月の景気ウォッチャー調査、9日には3月の工作機械受注、日銀支店長会議、4月の地域経済報告(さくらリポート)などが予定されている。
海外では7日に2月の米国消費者信用残高、9日に3月の米国卸売物価指数、10日には3月の中国消費者物価指数と中国生産者物価指数、米国消費者物価指数などが予定されている。
なお、8日には新型コロナウイルスの発生源となった中国湖北省武漢市の封鎖が解除される予定。
(鷲尾香一)