【襲来!新型コロナウイルス】海外メディアも「アベノマスク」を嘲笑!「布マスク2枚」が決定的にヤバかった理由(井津川倫子)

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、安倍晋三首相が突然表明した「全世帯に布マスク2枚」の衝撃が、瞬く間に国境を越えて世界中に広がっています。

   欧米の各国が大規模な現金支給や減税などの「支援策」を次々と打ち出している中での、まさかの「布マスク2枚」!

「安倍首相は物笑いの種になっている」
「まさに前例のない異次元の政策だ!」

などなど、嘲笑交じりに報じられていますが、この「アベノマスク」政策、内容だけでなく発表のタイミングも最悪でした。今からでも遅くありません。お願いだから、誰か止めて!!

  • 海外メディアも嘲笑「アベノマスク」(写真は、安倍晋三首相)
    海外メディアも嘲笑「アベノマスク」(写真は、安倍晋三首相)
  • 海外メディアも嘲笑「アベノマスク」(写真は、安倍晋三首相)

米FOXテレビ「エイプリルフールの冗談だと思った」

   終わりの見えない、さまざまな自粛要請に耐え、政府の具体的な支援を今か今か待ち焦がれていた私たちに、突然発表された「全世帯に布マスク配布」のニュース。「和牛券」や「魚券」の驚きを一気に吹き飛ばすほどの「衝撃」でした!

   さっそく、「アベノミクス」をもじった「アベノマスク」のワードがネット上で拡散されたり、首相官邸のホームページが苦情殺到でダウンしたりするなど、「アベノマスク事件」と呼べるほどの炎上ぶりです。

   恥ずかしいことに、海外メディアにも大々的に取り上げられてしまいました。

Two masks, no lockdown: Japan PM's latest coronavirus step riles social media
(二枚のマスク、ロックダウンはしない。日本首相の最新のコロナウイルス対策がソーシャルメディアを怒らせた:ロイター)
rile:怒らせる、イライラさせる

   ロイター通信は、感染拡大防止対策として「ロックダウン」をしないかわりに「2枚のマスク」を配布するとして、安倍首相が「ネット民を怒らせた」と報じました。

   記事では、安倍首相が「コロナウイルス対策が『後手後手』だと批判されていた」ことや、「国民に花見自粛を要請したにもかかわらず、昭恵夫人の花見写真が出回って『ネット上で猛攻を受けた』」ことにも触れています。

   同じく、通信社のブルームバーグは、「アベノマスク」計画がウラ目に出たと報じました。

From Abenomics to Abenomask: Japan mask plan meets with derision
(「アベノミクス」から「アベノマスク」へ。日本政府のマスク計画が物笑いの種になっている:ブルームバーグ)
derision::あざ笑う、物笑いの種

   ご丁寧にも、「Abenomask」(アベノマスク)「Abe's Mask」(安倍のマスク)だと意味を紹介しつつ、1世帯に2枚では足りないどころか、他国同様、現金支給を求めていた国民の顰蹙を買って「the plan backfired」(計画がウラ目に出た)としています。

   驚いたのは、米国の保守テレビFOXでした。安倍首相の「お友達」であるトランプ米大統領の「御用達メディア」でさえ、

「エイプリルフールの冗談だと思った」

と、「アベノマスク」を批判したのです。

Coronavirus measure in Japan of 2 masks per home taken as April Fool's joke, mocked as 'Abenomask'
(日本のコロナウイルス対策として、1世帯2枚のマスク配布は「エイプリルフールの冗談」と受け取られ、「アベノマスク」と揶揄されている)

   「Two old-fashioned gauze masks」(2枚の時代遅れのガーゼのマスク)を全世帯に配布すると発表した安倍首相が、

「私も同じマスクを着けています。使い捨てではなく繰り返し使えます」

とコメントしたことまで紹介。さらに、専門家会議が「日本の医療現場が崩壊する」と危機感を訴えた翌日の「アベノマスク」だったと、心なしかバカにしているような内容です。

   なかには、「安倍首相のあまりの的外れな政策に、日本人はショックを隠し切れない」といった報道もありました。少なくとも「布マスク2枚」の衝撃は、国境を越えて世界中の人に「共感」してもらえたようです。トホホ......。

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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