新型コロナで「大誤算」!? 王室を離脱したメーガン妃を待ち受ける「終わった人」への危機(井津川倫子)

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   世界中に新型コロナウイルスの感染が広がるなか、2020年3月31日、ハリー王子とメーガン妃が英国王室の公務から正式に引退しました。

   突然の「王室離脱宣言」から4か月。当初のフィーバーぶりがウソのように、海外メディアでもあまり報じられることなく、「ひっそりと」引退した夫妻ですが、新型コロナの影響で「離脱計画」が狂ったと報じられています。

   果たして、メーガン妃を襲った「大誤算」とは......。

  • チャールズ皇太子も感染、コロナ禍に見舞われる英国(写真は、ロンドン)
    チャールズ皇太子も感染、コロナ禍に見舞われる英国(写真は、ロンドン)
  • チャールズ皇太子も感染、コロナ禍に見舞われる英国(写真は、ロンドン)

メーガン妃、「女王代理」のチャンスを逃した?

   新型コロナウイルスの猛威が、英国を襲っています。感染は首都ロンドンを中心に爆発的に広がっていると報じられていますが、王位継承者のチャールズ皇太子者が感染したというニュースには、さすがに衝撃が走りました。

   幸い、チャールズ皇太子は軽症で回復に向かっているようですが、世間の関心は何といってもエリザベス女王の安否です。御年93歳の高齢とあって、

「コロナから女王を守れ!」
「とにかく女王に感染させるな!」

のムーブメントが起こり、エリザベス女王はロンドンを離れて郊外のウインザー城に「自主隔離中」です。

   しばらくは、孫のウイリアム王子夫妻が「女王代理」として公務を代行する機会が増えるようですが、ここにきて英王室を離脱して、米ロサンゼルスに住む弟のハリー王子が「罪の意識」にさいなまれていると英タブロイド紙が報じました。

Prince Harry feels guilty about leaving his family as he heads to L.A
(ハリー王子は、家族を残してロサンゼルスに向かったことに罪の意識を感じている:英紙The Sun)
feel guilty:罪の意識を感じる

   エリザベス女王とチャールズ皇太子が「自主隔離」をして公務を自粛するなか、本来であれば、ハリー王子夫妻は兄のウイリアム王子夫妻と手分けをして公務を代行する立場です。ところが、コロナの影響で米英両国の出入国が禁止されているため、愛する家族の一大事に故郷に戻ることすらできないはめに!

   ハリー王子は、遠く離れた米国で何もできない自分に「罪悪感を覚えている」というのです。

   その一方で、英国民の反応はじつに「あっさり」していました。

   「コロナで大変な時にこそハリー王子夫妻に戻ってきてほしい」といったコメントもありましたが、大半は「自業自得でしょ」と......。とにかく、国中が生きるか死ぬかの危機に面しているなかで、ハリー王子夫妻のことなど気にする余裕はない、というのが本音でしょう。

   なかには、「メーガン妃が、せっかくの女王代行のチャンスを逃した」と揶揄する報道も。あのまま王室に残っていたら、女王に代わって公務で活躍する場が増えていたはずです。晴れ舞台が大好きなメーガン妃にとって、「まさかの大誤算」だったと伝えていました。

トランプ米大統領にも見放された? 新天地LAでも「誤算」続き

   ハリー王子夫妻の「大誤算」は、まだまだ続きます。

   英国とカナダで「家族水入らずのプライベートな生活」を送る予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、国境が封鎖されることに! 長男のアーチーを連れて、あわててカナダから米ロサンゼルスに移動したハリー王子とメーガン妃でしたが、すかさずトランプ米大統領が「米国は警備費を支払わない」と、ツイッターで宣言したのです。

Now they have left Canada for the U.S. however, the U.S. will not pay for their security protection. They must pay!
(カナダを離れて米国に来たようだが、米国は彼らの警備費を払わない。自分たちで払うべきだ!)

   さらに、メーガン妃の「初仕事」となったディズニー動画の配信映画「エレファント」のナレーションまでが、評論家に「安っぽい!」と酷評されるという、手痛い仕打ちに見舞われました。

Meghan's Disney movie debut slammed as 'cheesy'
(メーガン妃のディズニー映画デビューは「安っぽい」と叩かれた)

   「cheesy」「安っぽい」とか「ダサい」といった意味のスラング。せっかくのハリウッドデビューも評論家の酷評に合い、「大誤算」だったようです。

   まだ、あります。「元王室メンバー」の肩書を利用して行う予定だった慈善事業さえも、新型コロナの影響で華々しい活動は控えざるを得ないとあって、英メディアは

「ハリー王子夫妻の計画はすっかり狂ってしまった」
「このままでは、存在を忘れられる危機に面している」

と指摘しています。

The couple were in danger of becoming "pretty irrelevant" as the world battled Covid-19
(夫妻は、世界中が新型コロナウイルスで疲弊しているなか、「存在を忘れられる」危険にさらされている)

   「irrelevant」は、「無関係な」「意味がない」といった意味。この場合は、「世間とまったく無関係になる」、つまり「世間から忘れられて『終わった人』になる」といったニュアンスでしょう。

   新型コロナウイルスのパンデミックがいつ収まるのか、まったく先が見えない状況です。「王室離脱」後は、名声を武器に華々しい活躍を計画していたメーガン妃にとって、このまま「世間から忘れられる」ことは、最も避けたいのではないでしょうか。

   それでは、「今週のニュースな英語」は、「irrelevant」を使った表現を、いくつかご紹介します。

That's irrelevant
(それは関係ない)

   前置詞の「to」を使って「~にとって」という意味を加えます。

That's irrelevant to our project
(それは、私たちのプロジェクトに関係ない)

   後ろに名詞をもってくる使い方もあります。

That's irrelevant opinion
(それは、的外れの意見だ)

   このまま「終わった人」になるのか、華々しく復活するのか。ハリー王子とメーガン妃にとって、今回の王室離脱が「最悪のタイミング(英紙)」だったことは間違いありません。新型コロナウイルスの影響は、意外なところにも及んでいました。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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