コニカミノルタ社長「『辺境』が君たちを磨く」
コニカミノルタの山名昌衛社長は、困難に立ち向かう姿勢を「辺境」という言葉で表した。
「皆さんは『辺境』という言葉を知っていると思います。中央から遠く離れた地のことです。私自身、新入社員の頃から35歳になるまで『辺境での経験』の連続でした。門戸開放したての中国に会社として初めて単身乗り込みました。新興国を年間50か国以上、年に200日近く飛び歩きました。3か所目の赴任地となった米国では、米国人の95%が訪れたことのないアラバマ州でした。
辺境での経験は、すべてのことに前例がなく、何もかもを自分でカバーしなければなりません。挑戦と挫折の連続です。単一文化の世界に異文化人として一人で入り込む難しさを経験し、自分らしさとは何かを自らに問いかけることで、自分自身の軸を形成する土台となりました」
山名社長は「自分軸の形成」が何よりも大切で、できれば35歳までに築き上げて欲しいと語るのだった。「自分軸」ができると、自分の志にブレがなくなり、「私はこうしたい」と自然に当事者意識、オーナーシップが生まれてくる。
「自分軸を持ち、未来を描く力が付いたら、何はともあれ『行動』と『実行』に尽きるということです。未来から逆算して今何に取り組むのかを考え、行動に移すことが大切です」
社会人として初めて挑戦する仕事のやりかたを噛んで含めるように諭す社長サンも多かった。
古河電工の小林敬一社長は、こう呼びかけた。
「失敗を恐れずに、自分の『Can』を増やし、『Will』を見つけるのです。『Can』とは『自分ができること』、『Will』とは『自分がやりたいこと』です。これから仕事をしていくと、皆さんは自分なりの考え、意見を持ち、実際に試したい、行動したい時が来るはずです。その時、失敗したら周りから何と言われるだろうと恐れるあまり、行動に移せないことがあるかもしれません。しかし、失敗は決して無駄ではありません。結果として本当にやりたいこと、『Will』にたどり着くことができるからです。『できること』が『やりたいこと』になる、『Can』が『Will』になる、そのような幸せな働き方をぜひ経験してほしいと思います」
電子計測機器のアドバンテストの吉田芳明社長は、いかにも計測機器メーカーらしい話題からこう説いた。
「大転換期の到来、君たちはどう生きるか。私は今62歳ですが、いくつになっても感じるのが、10年前の自分に戻れたらこうするのに、という自責の思いです。今なら2010年に52歳の時の自分に言いたいことが山ほどあります。10年刻みに振り返ると、40年前1980年に22歳の自分がいかに無限の可能性を秘めた存在であったか、しみじみと実感します。皆さんには大きな可能性があります。それを花咲かせるかは、皆さんの挑戦次第です。まずは、10年後に振り返って『やりきった!』と思える2020年代にしてください。君たちの努力次第で、10年後に見える景色は別世界になります。会社は、そんな皆さんを積極的にサポートしていきます」