メガ都市の東京では封鎖が無理なワケ?
そうしたなか、「首都封鎖」は事実上無理だと指摘する声もあった。
「すでにロックダウンしているロンドンやパリ、ローマなど海外の街は、基本的に中世からの城壁都市ばかり。都市部から30分も電車に乗れば田園地帯へと風景が一変する。都市と都市の境界がはっきりしているからロックダウンが可能だ。ところが東京は違う。住宅地が郊外に膨張して境界がない。周囲の4県から1~2時間もかけて通勤してくる街で、首都圏の人口が3600万人もいる。どうやって封鎖するのだ」
この意見についてはこんな反論もあった。
「埼玉との境の荒川の橋を封鎖、神奈川との境の多摩川の橋を封鎖、千葉との境の江戸川の橋を封鎖すればできる。物流、緊急車両以外などの通行を抑制すれば物理的には可能だ。鉄道は大幅に運行本数を減らせばよい」
一方、少数派だが、「首都封鎖」に反対する意見もあった。
「なぜそんなに首都封鎖をしたい人たちが多いのか不思議。封鎖なんかしたらどうなるかよく考えた方がいいよ。第一、日本は欧米のように感染者が爆発的に増えているわけじゃない。よく抑え込んでいる。焦っておかしなことをやるべきじゃないよ。手洗い・うがい、できる限りの外出自粛を続けよう」
「首都封鎖なんかしたら、物流が滞って大変なことになる。だいたいマスク1つをとってもまともに流通していないのに、それが食料品にまで及ぶとなったら滅茶苦茶になるのは明白じゃないの」
「首都封鎖されて、インフラ系の仕事のひとが出勤しなくなったら電気もガスも水道も止まりますよ。それとも、その人たちには働け、感染してもいいと言うのですか?」
最後にこんな厳しい意見も。
「信用できないリーダーたちの下での私権を極度に規制する緊急事態宣言などゴメンだ。安倍晋三首相は国民に自粛を要請しながら、夫人の花見会を追及されると逆ギレする。小池百合子東京都知事も吉村洋文大阪府知事も、国の非常事態宣言などあてにしないで、鈴木直道北海道知事のように、独自に非常事態宣言を出すべきだ。もし、鈴木さんが総理大臣なら喜んで首都封鎖に従うのだが......」
(福田和郎)