【襲来!新型コロナウイルス】「首都封鎖」Xデー秒読み! その時、東京はどうなる? ネット民「早く非常事態宣言をせよ!」の声

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   東京都を中心に新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、安倍晋三首相がいつ「非常事態宣言」を出し、「首都封鎖」(ロックダウン)に踏み切るのか、国民の関心が高まっている。

   経済系シンクタンクの試算によると、「首都封鎖」をした場合、経済的損失は2.5兆円から5.1兆円になるとみられており、莫大な被害を受けるのは必至だ。

   しかし、ネット上では

「国民の命のほうが大事だ。欧米のようになっては手遅れ。早く非常事態宣言を出すべきだ」

という声が圧倒的だ。

   「首都封鎖」のXデーはいつになるのか。そして、何が起こるのか――。

  • 世界最大の都市・東京をどうやって封鎖する?
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シンクタンクの予想は経済損失が2.5兆円~5兆円

   「非常事態宣言」については2020年3月30日、日本医師会が記者会見を行い、「もう発令していい時期だ」と訴え、経済同友会も31日、桜田謙悟代表幹事が個人的な見解と断ったうえで、「だらだら続けるよりは早く実施したほうがよい」と発言。また、小池百合子都知事も31日、「国家としての判断が今、求められている」と述べ、早急に発動するよう促した。

   もう秒読みに入った感がある「首都封鎖」だが、経済面ではどんな影響を与えるだろうか。

   野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏のリポート「首都東京ロックダウン(都市封鎖)が経済に与える打撃」(2020年3月26日付)によると、「1か月間の東京封鎖で2.5兆円、GDP(国内総生産)の0.4%が失われる」という。

「(欧米のように違反者に刑事罰を科す)私権制限はできないが、東京都民の外出や他の都道府県からの東京都への流入がかなり制限されることになるだろう。これは、主に個人消費活動に甚大な悪影響をもたらす」

と指摘する。

   その根拠はこうだ。東京都の経済規模を確認すると、東京都の県内総生産は104.5兆円(2016年度)だ。全国のGDPに占める比率は19.0%と、2割近くにも及ぶ。

   「首都封鎖」で人の移動が厳しく制限される場合、GDPの需要項目の中で最も顕著な影響が出るのが個人消費だ。ただし、生きていくための飲食費などは変わらず支出される。また、家にとどまっていても光熱費などは使われる。家計調査統計(2019年、総世帯)の消費項目の中から、首都封鎖下でも変わらず消費される項目を家計調査統計のデータから以下に抽出した(カッコ内は、消費全体に占めるそれぞれの構成比)。

食料・飲料(25.4%)
家賃(4.3%)
光熱・水道(7.4%)
医療サービス(2.6%)
通信(4.5%)

   これらの項目の構成比の合計は44.2%。残り55.8%が首都封鎖下で失われる消費となる。木内氏はこう説明する。

「東京都の消費が55.8%減少すれば、日本全体の個人消費を2.49兆円減少させ、GDPを0.44%押し下げる。ちなみに、1か月間の首都封鎖であっても、それによって失われる需要は、東京五輪延期が2020年GDPに与える影響を上回る計算だ」

   一方、第一生命経済研究所の首席エコノミスト熊野英生氏のレポート「現実味を帯びてきた首都封鎖~封鎖時の経済損失はマイナス5.1兆円~」(2020年3月30日付)によると、1か月の首都封鎖だけでも経済的損失はもっと大きくなり、実質 GDP が5.1兆円も減少する。これは木内氏の試算の2倍近い損失だ。また、同様の封鎖措置が神奈川・千葉・埼玉県を含む南関東全体で実施されると、マイナス8.9 兆円とさらに経済損失が膨れ上がるという。

   その計算の根拠はこうだ。熊野英生氏は、首都封鎖になった場合、企業の稼働率が平日の出勤状態から日曜日並みに下がると仮定した。そして、2015年のデータをもとに、企業の稼働率は約6割(58%)減ると試算した。東京の昼間の就業者数は約800万人だから、約6割が出勤しないと約460万人が自宅待機の状態になる。これから、1か月間首都封鎖すると名目GDPが5.1兆円減少、さらに封鎖状態を南関東全域に広げると、損失はマイナス8.9兆円に膨れ上がる。

   熊野英生氏は、

「この数字でも大変楽観的すぎるかもしれない。実際の首都封鎖は(さまざまな施設・娯楽の自粛などで)普段の日曜日の生活よりもさらに息苦しいものになる。また、東京や南関東の経済活動が平常の4割に低下すると、その打撃は全国のサプライチェーンや交易取引をも抑制させる。その波及効果はここでは考えていない」

と警告している。

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