10秒間の沈黙の後に導き出した答えが......
この文章は、わりと自分への戒めのために書いている。いくら嘘をつきたくない、思ってもないことを口にしたくないと言ったって、それはきっと私がまだまだ甘ちゃんなのだということもわかっている。
私はまだ社会に出て働いたことがないから、想像でしか語ることができないが、社会人になったら自分の意見や思いと違うことでも、さもそのとおりのように話さなければならない場面に出くわすこともきっとあるのだろう。
その時に、今の私のスタンスでは、やっていけないのだ。たぶん。「御社が第一志望です」宣言は「嘘」というよりもきっと、ビジネスパーソンの「ビジネスハック」の第一段階なのではないかなと思ってみたりする。
なんてちょっと偉そうなことを言ってみたが、そうは言ってもやっぱり私は言えない気がするのだ。少なくとも今の私には(そう、頑固なのです)。ならばどうするか。思い浮かぶ答えは、ただ一つ。
自分が第一志望だと、心から宣言できる企業の選考や面接のみを受けることだ。
......いや、でもなあ。さすがにリスキーだし、そこまでの勇気はちょっとないなあ。第一志望にこだわりすぎて、どこにも就職できなかったら元も子もないしなあ。さて、どうしたものか。
どの就活生も、本命の企業のほかに、いくつか選考を受けるのではないかと思う。そんな時、こんなぶっちゃけ質問を投げかけられたら、あなたはどう答えるだろうか?
ちなみに、私はこの質問を投げかけられて、約10秒間の沈黙を続けたのちに「まだ第一志望とかわからなくて、どこも同じくらい働きたいと思っています」と、満面のキラキラ笑顔(のつもり)で答えた。
なんだその答え......と、面接が終わってから自分にツッコミを入れた。面接官の不意打ちにやられた! のだ。まだまだ修行が足りなかった。
とはいえ、まあ、でもこれはこれで「自分の気持ちに嘘はついてない!」と、気持ちを切り替ることにした。次は、がんばるぞ!(叶多凛)