新型コロナウイルスはかつて市場が戦ったことのない強敵だ!(志摩力男)

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株価急落、本当の火ダネは米国にあり!?

   多くの国が、感染者の入国を防ぐため、入国制限を始めましたが、次々と入国制限の対象国を増やしていくため、事実上ほとんどの国がお互いに「鎖国」しているのと同じような状況となっています。大きなコンサート、スポーツイベント、集会なども次々とキャンセル、欧州の一部ではレストランも営業が禁止されています。

   これでは、経済が持ちません。おそらく、2020年1~3月期の国内総生産(GDP)は、各国軒並みたいへん悪い数字になりそうです。一部の国は、5%を超える大きなGDPの後退にさらされそうです。米ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、3万ドル目前のレベルから、2万円前後まで、乱高下を繰り返しながら下落しました。

   経済へのショックは猛烈なものがあります。いつまでこのガマンが続くのか? トランプ米大統領は今年の夏までと示唆しましたが、そこまで経済が持つでしょうか。

   リーマン・ショックから12年。その間、ずうっとブルマーケット(株価が上昇を続けている強気の相場)でした。知らないうちに「レバレッジ」がたくさんかかっています。少し株価が調整しただけだと思っていたら、これがきっかけで、大幅な調整局面がやってくるかもしれません。

   そうなると、ある日ワクチンなどが見つかったら、株価も経済も元に戻るのか? 気になるところです。

   しかし、そうはうまくいかないかもしれません。株価や経済の悪化は、新型コロナウイルスが直接の原因ではありますが、じつは本当の火ダネは、米国経済に知らず知らずに積み上がったレバレッジであり、これが崩れることで過去12年の調整局面が始まった、つまり数年は調整が続くことになるのかもしれません。(志摩力男)

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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