疲れた心を癒すギャグ漫画「日めくり漫言」、シュールながら登場人物の優しい心が伝わる「アイテムおばあちゃん」など、ウェブを中心に人気の漫画家、田島シュウ(たしま・しゅう)さん。2020年3月30日には、小学館から初の単行本「田島シュウの日めくり漫言」が発売される。
27歳までフリーター生活を続け、ときに社会からの疎外感も感じていたという田島さん。何がきっかけで、長いフリーター生活を抜け出し、漫画家になったのか? その一風変わったデビュー秘話から、スランプを経て人気作品を生み出すに至ったエピソードの数々に迫る!
初めての独占インタビュー、もちろんメディア初登場である。
27歳、フリーターの一念発起!
――小学館のコミック配信サイト「やわらかスピリッツ」では、独自の感性に貫かれた1ページ漫画「日めくり漫言」が常に上位をキープしています。
田島シュウさん「ありがとうございます。1週間に7本、毎日投稿しているので、多くの方に見ていただいているのかもしれません」
――デビューのきっかけも、ウェブ漫画だったのですか?
田島さん「今35歳なんですが、漫画家になったのは27歳のときなんです。それまでは『親のすねかじり』というか、フリーターみたいな感じで。バイトをしながら、なんの目的もなくその日暮らしをしてまして......」
――10代の頃から漫画家になりたかった、とかではなく。
田島さん「全然そんなことないんです。27歳のとき、久々に会った同級生が『趣味で漫画を描いている』というのを聞いて、『漫画家ならこの先ずっと続けられるし、自分にもできるんじゃないか』と思って描き始めました......。けっこう変わった経歴だと言われます」
――それまでは、大阪の実家でアルバイト生活を送っていた。
田島さん「はい。工業高校を卒業して、兄が工場務めだったので、内向的な性格の僕も『工場勤務が合っているんだろうな』と思って、ふつうに就職したんです。でも、とにかく仕事覚えが悪かった。工場の仕事にもまったく興味が持てなくて、1年足らずで辞めてしまったんです。その後はアルバイトを転々として......って感じです」