コメ兵もコロナで売り上げ96%減の大ピンチ
コメ兵ではこれまで、買い取りは個人の持ち込みが中心だった。アパレルなどでは小規模な法人買いはあったものの、大規模の買い取りは今回が初めてだ。
もう一つの狙いを、吉田さんはこう語った。
「アパレル業界はいま、売れ残った在庫の廃棄処分が『もったいない』と、社会問題になっています。少しでもコメ兵の販売網を活用してさばくことに協力できればと考えています」
もちろん、必ずしもすべて社会貢献ばかりではない。じつは、コメ兵自身も新型コロナウイルスの感染拡大では大きな打撃を受けた「被害者」の立場だ。今年2月14日、2020年3月期の連結純利益が前期比96%減という大幅な下方修正を発表したばかり。昨秋の消費増税以降、店頭販売が落ちたところに、訪日観光客がバッタリ途絶えてダブルパンチを受けたのだった。だから、アパレル業界とは相見互いなのだ。
吉田さんは、
「とにかく、物がないと売れないことは確かです。コメ兵としても、衣料品の仕入れがまとまってできることが大きいです。お互いに助け合って、少なからず利益を生むことも期待しています」
と語っていた。
(福田和郎)