新型コロナウイルスの感染が、企業で働く従業員のあいだでも広がってきた。
企業信用調査の帝国データバンクの、新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる「上場企業の影響・対応動向調査」(2020年3月15日現在)によると、自社や関連会社などで従業員への感染が判明した企業は47社だった。3月17日の発表。
また、工場や店舗の休業、防疫措置など何らかの影響を受けたのは、上場企業(約3800社)の約2割にのぼる749社になったことがわかった。
同社が、企業からの適時開示情報やプレスリリースなどの公開情報から、新型コロナウイルスに関連する影響や対応などについて明らにした上場企業を調べた。
82社が海外渡航の禁止・自粛の方針
企業では従業員の感染防止のため、プライベートでの海外旅行の自粛や国内外の出張の取り止めなどの対応策を講じている。3月は人事異動の時季だが、今年は転勤を伴う異動や、異動そのものを延期する企業もあるようだ。
調査によると、テレワークやオフピーク出勤、特別休暇制度の取得推奨など、働き方の変更を表明した企業が173社、出張のほかプライベートでの旅行を含め海外渡航禁止・自粛を打ち出した企業は82社あった。
拡大するテレワークやテレビ会議を支援するためのツールの無償提供や、臨時休校措置などに伴う児童への食事支援、ワクチン開発などの各種支援やサービスの実施がわかった企業は68社。衛生用品の増産や販売などの需要拡大への対応が判明した企業も27社にのぼる。