「セイリング クライマックス」は終わりに近づいている
株式投資の格言に、「高値の半値、8掛け、2割引」がある。これは「天井を付けた後、下落局面に入った時に、底の水準を判断する目安とされる相場」という意味とされる。根拠は定かでないが、高値×0.5×0.8×0.8=0.32で3分の1程度まで下げるらしい。
この格言に基づくと、良品計画株は高値4万1200円の半値2万600円、8掛けの1万6480円、2割引の1万3084円辺りが底値と考えられる。米東海岸のニューヨークで感染者が出たと発表のあった3月3日、良品計画株を1450円で100株、買いを入れた(同社は2019年8月31日時点の株主に対して1株を10株に株式分割を実施している)。
1株1400円台まで下げてくると、下値は限られており、上昇の可能性のほうが大きいと考えた。
良品計画株の取得後も、新型コロナウイルスの感染拡大は、米国やヨーロッパ諸国など、南極を除く全世界へとさらなる広がりを見せている。経済活動が停止しそうな状況に、資金繰りに詰まった企業の倒産も心配される状況になってきた。
米ニューヨーク株式市場のダウ30種平均株価の乱高下を受けて、3月16日には米連邦準備制度理事会(FRB)が1%の緊急大幅利下げを発表。これを受けて日本銀行も同日正午から前倒しで金融政策決定会合を開き、2016年7月以来約3年8か月ぶりに、上場投資信託(ETF)買い入れの年間目標額を現行の6兆円から「当面12兆円」に拡大する、追加の金融緩和を決めた。
「総悲観は買い」「節分天井・彼岸底」という格言もある。そろそろ、「セイリング クライマックス」も終わりに近づいているのではないだろうかと考えるのは、早計だろうか。
良品計画の株価は、「高値の半値、8掛け、2割引」の価格となる1300円をも下回っている。(石井治彦)
【良品計画(7453)】
2020年3月17日現在 保有100株 平均取得単価1469円25銭
年初来高値 2020年1月10日 2654円
年初来安値 2020年3月13日 1076円
直近 終値 2020年3月17日 1144円
石井治彦(いしい・はるひこ)
投資歴25年。「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。情報源はもっぱら会社四季報や日本経済新聞、経済誌など。また、株主総会やIR説明会にはできるだけ顔を出すようにしている。
東京都出身。