「自己分析」など「終身雇用時代」の遺物だ
「古い就活」のなかで、古さを代表するものが「自己分析」。自身の過去を振り返り、そこから夢や目標を強引に作り出すという作業だ。著者の佐藤さんは、「私からすれば、従来の自己分析は不要」ときっぱり。
「終身雇用や年功序列が当たり前とされていた時代、40年同じ仕事をし続けなければならない時代であれば、過去の経験からつくられたアイデンティティや性格、今大切にしている価値観をしっかり分析して社会に出ていくことは有効」だった。
だが、今の時代は「変動が激しく、終身雇用や年功序列は崩壊し、私たちは各々未来を予測しながら自分のキャリアを自由にデザイン」することが求められている。新しい就活での自己分析では、過去と未来を切り離して考えるべきなのだ。
「古い就活」の就活生の多くは、「自己分析は過去を整理して未来に結びつけること」と教えられるという。友人の結婚式に参列して「ありがとう」と言われたことに感激しブライダルの仕事に就きたいと考えること。あるいは、人が好きだから人材業界に進みたいと思うことなどが、その例だが、実際のところ、視線が未来を向いておらず、「働く人と企業のミスマッチを生むだけ」の指導とさえいえるという。