【襲来!新型コロナウイルス】「子育て世帯一律3万円」なのに「独身者ゼロ」とは 「国民分断差別支給」にネット民怒り沸騰!

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   新型コロナウイルスの感染拡大に備えるための改正新型インフルエンザ等対策特別措置法(コロナ特措法)が2020年3月13日、成立した。これで首相が甚大な被害が出ると判断すれば、「緊急事態宣言」を出すことが可能になった。

   一方、政府の対策会議では、全国一斉休校と自粛要請に続く第2弾、第3弾の対策として、「子育て世帯への一律3万円の給付」や「休業したフリーランスや自営業者への一日4100円」、「休業した子育て世帯への一日8330円補償」を打ち出そうとしている。

   これらの案もネット上では猛批判を浴びて、総スカン状態だ。いったいどういうわけか。ネット民の声を拾うと――。

  • これでもか、これでもかとお金をばら撒くが……(写真はイメージ)
    これでもか、これでもかとお金をばら撒くが……(写真はイメージ)
  • これでもか、これでもかとお金をばら撒くが……(写真はイメージ)

「ホント、安倍さんはお金のばらまきが大好きなこと」

安倍晋三首相は、お金のばら撒きがお好き?
安倍晋三首相は、お金のばら撒きがお好き?

   まず「子育て世帯に3万円を給付する」案には、当の子育てをしている人々からも、

「もうばら撒きはやめて! 子どもがいない人々にも目配りをしてほしい」

という怒りの声が上がっている。

「自分は子育て世帯ですが、これはおかしい。子育てしていない人も働いたり社会に貢献したりしているのですから、同じようにすべきと思います」
「また差別支給ですか......。ホント、安倍さんはばら撒きが好きなこと。場当たり的な政策はやめてほしいし、子どもがいない家庭や独身者は自助努力で、と言われている気がしてならない。今回の新型コロナ騒ぎは、子育てとはまったく関係がなく、全国民が被害にあっているはずです」

   当然、子どもがいない人々は怒髪天を突くありさまだ。

「独身です。キツイです。独身がキツイ理由のわからない政治家、想像力が足りなくないですか? 適齢期に親が寝たきりになって、結婚、子育てをすっ飛ばしてずっと在宅介護です。あげく自分の体を壊してもう産めない。お金が出ていくばっかり。国からの補助的なお金もらった記憶がない」
「独身です。母親が年金だけでは暮らしていけないので同居です。子どもがいなくても親の面倒をみている人もいるのですよ。生まれた家庭によって教育に差が出ていけないから授業料無償化なら、生まれた家庭によって親の面倒をみる負担が違うのだからそっちも無償化してほしい。子どもは大きくなれば世話も要らなくなるけど、親は年をとるほど世話が大変になるのです」

   また、子どもがいない人は休まずに働いている。逆に、子どもがいて休む人の分まで働かなくてはならず、負担が大きいという指摘もあった。

「医療関係の仕事です。うちは子どもが成人しているので仕事を休むことはないのですが、小さいお子さんがいる多くの方が休むのでシワ寄せはすべて出勤者にきます。ふだんの2人分、3人分の仕事は厳しいです。決して小さいお子さんがいる家庭を責めるのではありませんが、そのシワ寄せを補っている労働者にはなんの補償もないのは疑問です」

「選別したばら撒き」より思い切った「公平な減税」を

   こうしたことから「選別したばら撒き」より、思い切った減税を求める声が非常に多かった。

「残念ながら、もうどんなにお金をばらまいても安倍内閣の支持率は戻りませんよ。ここは子育て世代をターゲットにした支援じゃなく、全国民に向けて消費税率を戻すことや所得税の減税を実施しないとダメだと思います」
「子育て世帯としてありがたい反面、在宅もできず仕事の負担がのしかかる独身の人から見たら不公平だと思う。『お金もらえて休めていいよね』と言われて肩身が狭い。こんな場当たり的なやり方ではなく、消費税率をゼロにするなど、公平に一律に国民の負担を減らす方向で考えてほしい」

   また、こんな分析もあった。

「18歳未満の子どもがいる世帯は約1100万世帯(平成30年国民生活基礎調査)です。仮にその世帯が対象だとすると3万円一時給付は約3300億円かかる。報道によると、コロナ対策の補正予算の規模は10兆円から20兆円とのことなので、子育て世帯3万円給付(0.33兆円)の約30から60倍の規模だ。もちろん他の対応策も検討されているが、財務省によれば2019年度の消費税収は19.4兆円。2020年度は20兆円ほどになるという。これを仮に半年凍結するとなれば、10兆円相当の経済対策となる。十分、消費税凍結は考えられる」

   さて、もう一つの対策、「フリーランスや自営業に一日4100円の休業補償」に対しても不公平だという批判が非常に多かった。政府は小学校などの臨時休校に伴い、保護者が仕事を休んだ場合に「一日8330円」を上限に補助する方針を打ち出しているが、その半額以下なのだ。

   なぜ「4100円」という給付額が出てきたのか。各メディアの報道によると、東京都の最低賃金1013円×4時間で算出したというが、4時間の根拠が不明確だ。「4時間勤務などあり得ない!」「こんな額で暮らせるか!」と、批判が相次いでいる。

   そもそも、フリーランスの場合は補償の申請が難しいという指摘がある。

「フリーランスの場合、給付額が少なすぎるうえ、給付の申請が大変だと思います。常駐やシフトなどで定常的に特定の職場で働いていることを証明できる、労働者に近い働き方をしている人が対象になるのではないか。不正受給を避けるためには、対象の特定とエビデンスが必要だが、フリーランスの世界は契約ルールが未整備で、口約束や電話一本での発注&キャンセルも横行しています。日払いの仕事のキャンセル料や持ち出し済み経費は、フリーランスの人が申請するのは難しいので、発注者が無利子無担保融資で原資を作り、発注者が補償すべしという流れを作るのが公平で現実的かと思います」

自営業者のセーフティネット申請に3週間待ち

新型コロナウイルス(国立感染症研究所提供)
新型コロナウイルス(国立感染症研究所提供)

   ここでも不公平感に怒りの声が殺到している。

「もうさ、補償は全国民一律でよくない? 子どもがいても留守番させるしかない家庭も山ほどあるし、休まれたら休まれたで、しわ寄せで通常業務以上の仕事をしなくてはならない人もいます。子どもがいて、しかも休めた人が一番ラッキーみたいなのはやめてほしい」
「そう、子どもの有無関係なく社会人全員に一律でいい。公平だし、支払い処理も早い。なぜ一律にせず、差別化をはかるのか」
「新型コロナウイルス感染症によって経済的損失を被っているのは全国民なのだから、全国民一律にベーシックインカム(最低限所得保障)を支給すればいい。それなのに、わざと『一定の要件を満たした人々だけ』を優遇することで、国民の間に対立構造を作って、政権に批判の矛先が向かないようにする作戦だと思います。『分割統治』というやつですね」

   補償制度によって「イカサマ」が横行するのではないかと指摘する声があった。

「子どもの学校が休校になり、親御さんたちが有給扱いで休みを取ったり、出勤しているけど通常より1、2時間早く帰ったりして、補償金の手続きをするという話を聞きました。会社がオッケーを出せば補償金をもらえるというのですが、これってありなの? 二重取りみたいにならないの? なんだかモヤモヤする不愉快な話だと感じました」

   自営業の場合も申請業務の煩雑さに苦労しそうだ。

「うちは大阪のレストランですが、ホント、お客さんが来なくて乗り切れる自信がないです。大阪市内の飲食業はほぼ全滅です。先日、セーフティネット保証という中小企業庁の自営業者を助ける融資制度に申し込みに行ったら、すっごく混んで3時間待ちでしたよ」
「大阪ではセーフティネット保証申請の窓口、3時間待ちですか。羨ましいです。東京都港区では3週間待ちでしたよ。3週間で飛んでしまう所が多いでしょうにね」

「事件は国会で起きているんじゃない、現場で起きているんだ!」

   フリーランスではない非正規雇用の人々も、補償がもらえず戸惑っている。

「子どもがいない夫婦とも非正規雇用労働者です。自粛で約半月の自宅待機となりました。自宅待機中の補償について夫が会社に尋ねると、『国からの助成金が出ても会社が潰れたら元も子もないし、そのへんも理解してくれ』と言われたそうです。おかしくないですか。助成金が出ても本社が休業補償を出すかどうかわからないって。私たちだって税金を払っているのは同じです。子どものいる家庭だけが国民ではありません」

   こうした人のケースに対しては、こんなアドバイスが――。

「現状出ているのは『雇用調整助成金の特例措置』というもので、主にこれは企業を救済するために給付されるものです。読むと『経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が一時的に休業等を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成する国の制度』とあります。つまり、企業が休職者に休業手当を支払ったら援助しますよ、というもので、そもそも手当を払っていなければ助成金も出ませんってことです。あなたの夫の場合はおそらく出ないでしょう。非正規雇用とは、企業の経営が危なくなれば簡単に切ることができる雇用でもありますから」

   派遣会社も厳しいのではないか、という指摘もあった。

「この補償は休業補償を『会社が行った場合』に『行った事実を証明』して『事後』請求する制度。前払金を出せない派遣会社は当然休業補償をしないから給付金も出ないでしょう」

   政治家は国会を出て、もっと現場を歩いて国民の切実な声を聞いてほしいという訴えが多かった。

「政府から名指しで自粛しろと言われた屋形船、ライブハウス、スポーツジム、ビュッフェの経営者と従業員たちは、自粛が長引けば収入を断たれて路頭に迷うかもしれないのです。あと観光業界、飲食業界の人たちも。この人たちを救済してあげてください」
「『事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!』というフレーズを思い出しました。皆さん、なんのために国会に集まっているんですかね。マスクもつけないで!」

(福田和郎)

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