配偶者からのDVも増えている
配偶者からの暴力事案等(いわゆる、DV)の相談等件数は増加の一途を辿っている。2019年は前年比6.1%増の8万2207件と、DV防止法施行後の最多件数を更新した。
DVによる「保護命令」違反の検挙は、前年と同じ71件だったが、配偶者からの暴力事案等に関連する刑法犯・他の特別法犯の検挙は、18年と比べて0.8%増の9090件となった。犯罪種では、暴行が5384件、傷害が2784件となっている。
DV防止法に基づく裁判所からの書面提出要求は1959件に、裁判所からの保護命令通知は1663件(このうち、接近禁止命令・電話等禁止命令は1138件)にのぼっている。
被害者の性別では、男性が1万7815 人(21.7%)に対して、女性は6万4392人(78.3% )で、年齢では30歳代が2万2717(27.6%)、40歳代が1万9701人(24.0%)、20歳代が1万9385人(23.6%)の順。
一方、加害者の性別では男性が6万4344人(78.3%)、女性が1万7863 人(21.7%)で、年齢では30歳代が2万2088人(26.9%)、40歳代が2万0481人(24.9%)、20歳代が1万7057人(20.7%)の順。
被害者と加害者の関係では婚姻関係(元を含む)が6万2119人(75.6%)を占め、内縁関係(元を含む)が6174人(7.5%)、生活の本拠を共にする交際をする関係(元を含む)が1万3914人(16.9%)となっている。
DVは被害者、加害者ともに男性約2割・女性約8割という比率で、20歳代、30歳代、40歳代にほぼ同数で発生している。DVは身近な存在だけに習慣性を持って行われるケースが多く、殺人に発展するケースも多い。
ストーカーが減少傾向にあるのに対して、DVは増加を続けており、DV被害者を出さない取り組みを一段と強化することが重要だ。