インターンシップめぐり、就活生と企業のあいだで、その理解に温度差があるようだ――。2020年卒の就職希望者を対象にした調査で、インターンシップの選考に落ちた学生の約8割が、本番の選考を避けていたことがわかった。
多くの企業側が、インターンシップの選考を「採用と切り離している」としているが、学生側は「採用の可能性は低い」と考え、採用試験を見送っていることがうかがえる。
人材紹介、転職サービスを手がけるリクルートキャリアの「就職みらい研究所」が3月10日に発表した。
インターンシップ、希望者の増加で「本番」並みの選考も
インターンシップは、多くの企業が大学3年生の夏から冬にかけて行う、就業体験。そこに参加を希望する学生は年を追って増えており、近年は選考を行う企業も少なくない。
選考形式は、エントリーシートや履歴書による書類選考のほか、面接やグループディスカッションを課すなど、「本番」の選考とほとんど変わらない場合もある。
このため毎年のように、インターンシップの選考で落ちたら、その企業に入るチャンスがなくなるのではという不安が就活生に広がるといい、リクナビでは「21年卒」向けの特集で、新卒採用を20年担当している企業の人事コンサルタントからの、
「就活本番とインターンでシップは選考の意味合いが異なる企業が多いため、インターンシップの選考に落ちてしまっても、本選考への影響は少ない」
というコメントを紹介している。
多くの企業で、採用時の判定材料とは別と位置付けているとみられるインターンシップだが、学生側はそのようには認識していなかったといえそう。
就職みらい研究所の調査では、インターンシップ選考と採用選考との関係については、64.3%の就活生が、インターンシップの選考結果が、採用選考に「影響があると思う」と回答。「影響がない」は35.7%だった。
また、2020年卒の就職希望者でインターンシップ選考の参加経験があるのは46.6%。このうち、選考に通過しなかった経験がある学生は76.1%だった。
この「インターンシップ選考に通過しなかった経験がある」学生に、「インターンシップの選考に通過しなかった企業の採用選考を受けたか」を聞いたところ、77.9%が「受けなかった経験がある」と答えた。
インターンシップの選考に落ちた時点で、その企業への就職をあきらめているようすがうかがえる。