黒字リストラの本質は「40歳定年制度」だ! 中高年よ、もう「第二の人生」はないぞ!(城繁幸)

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企業にしがみつく人の末路は......

◆ 40歳定年制度が現実に

   じつは、このトレンドを以前から正確に予測していた人がいる。東京大学大学院の柳川範之教授だ。氏は2012年の国家戦略会議において「40歳定年制度」を提唱し、当時広く話題となった。

   当時は「40歳で退職なんてしたら、どうやって生きていくんだ!?」といったネガティブな反応が多かった記憶がある。

   ただ、氏の話は実際には40歳で一律で定年退職させろというような話ではなく、あくまで個人のキャリア戦略の話である。これから、どんどん働く期間が延びることになるため、40歳あたりで自身のキャリアの棚卸しをして、労働市場を通じてより評価される職場を探しましょうくらいのスタンスだ。

   そういう企業との「再交渉」を避け、「なんでもやりますから、70歳まで面倒見てください」と、白旗を上げる人がどういう扱いを受けるかは言うまでもない。

   企業側から足元を見られ、誰もやりたがらないような仕事を押し付けられることだろう。

   筆者は恐らく、(40歳以降にキャリアデザインし直すという意味での)40歳定年制度は一過性のブームではなく、一つのトレンドとして日本社会に定着していくと考えている。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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