新型コロナウイルスの猛威が日本中を席巻するなか、開催が危ぶまれている東京五輪・パラリンピックについて、ついに「延期」の情報が飛び出した。
2020年3月11日付の米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)で、東京五輪組織員会のキーマンがインタビューに応じ、
「最も現実的な選択肢として2年後の延期が望ましい」
と発言したのだ。
ネット上では「延期は当然」と受け止められており、なかには「いっそ中止すべきだ」という声さえ上がっている。ネットの声を拾うと――。
「米テレビ局に1100億円払っているので中止できない」
WSJ紙日本語版によると、取材に応じたのは東京五輪・パラリンピック組織委員会理事の高橋治之氏だ。電通出身の高橋氏は、電通スポーツ事業局時代から数多くのスポーツイベントを仕切ってきた。今回の東京五輪でも、いわば台所事情を一番よく知っているといわれる人物だ。
高橋氏は、
「新型コロナ感染拡大の影響で今夏の五輪開催が難しくなれば、最も現実的な選択肢は開催を延期することだ」
との見解を示した。
すでに米テレビ大手のNBCユニバーサルが、東京五輪の放映権に11億ドル(約1100億円)を支払っており、
「中止すればIOC自身が経営的におかしくなる。来年のスポーツイベントの予定はおおむね固まっているため、延期の場合は2年後のほうが調整しやすい」
との考えを示したのだった。
今回のこの記事には、ネット民の多くは「延期は当然だろう。やっと組織委内部からこういう意見が出てきたか」と、冷ややかに受け止める声が大半だ。
「新型コロナウイルスの終息が見通せない現在、国民のほとんどが東京五輪開催なんて無理だと思っているはず。やっとまともな意見が外に出て来ましたね。被害を最小限にするには一刻も早く延期を決定して、次に行動を移すべきです。今夏開催にこだわる森喜朗組織委会長を変えないと、惨憺たる結果を招きますよ」
「仮に予定通り開催しても、外国の選手は日本に来たくはないだろうし、経済面をみてもインバウンド(外国人観光客)の来日は見込めない。何より日本人全体が、開催して大丈夫なのかという気持ちになっている。延期するなら早く決定したほうがいい。そのこと自体も選手ファーストにつながる。日本はIOCの決定を待たず、主体的に延期の提案を挙げていくことが望ましい。国際的な信用とは、こういう緊急事態の言動によって確立していくものだ」