ビットコインが2020年初から順調に上昇しています。1月1日には78万円だったビットコインは、2月12日には115万円まで上昇しました。上昇率は40%以上となります。
なぜこんなにも上昇しているのでしょうか――。
その背景には、「半減期」というイベントが控えていることをお伝えしたいと思います。
半減期は4年に1度のイベント
ビットコイン(BTC)の価格上昇に大きな影響を与えている「半減期」とは、マイニング報酬が半分になってしまう時期のことを指します。ビットコインは約4年に1度、マイニング報酬が半分になるように設計されているのです。
そもそも、ビットコインが誕生した時のマイニング報酬は50BTCでした。しかし2012年に向かえた最初の半減期で25BTCに減少。2回目の2016年では12.5BTCに減少しました。
半減期を迎える時期は、21万ブロックマイニングされた時とあらかじめ決まっており、今後の半減期のおおよその時期がわかるようになっています。
ビットコインのマイニングは1ブロックおよそ10分。1日は1440分のため、144ブロックマイニングされます。この計算で半減期がまでの21万ブロックで掛け合わせると1458日。うるう年を考えると、3年と363日とほぼ4年となります。
計算式:21万ブロック ÷ 114ブロック = 3年363日
このように計算していくと、2020年に迎える半減期の時期は、6月6日前後。63万ブロックマイニングされた時に、マイニング報酬が6.25BTCへと減少します。
マイニングのカウントダウンサイトも多数用意されており、大手仮想通貨取引所であるバイナンスのウェブサイト内には、半減期に向けての情報が確認できます。
なぜ半減期で価格が上昇するのか
さて半減期で、なぜビットコインが上昇するのか、疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
それには、
● 売却されるビットコインの減少
● 過去の半減期での値動き
の、主に2つの理由があります。
【売却されるビットコインの減少】
半減期を迎えると、マイナーが得られるビットコインが減少するため、単純に売却されるであろうビットコインの数が減少すると考えられます。
1日のマイニング報酬で考えてみましょう。
前述したように、マイニング報酬は1日に144BTCあります。ビットコインの価格が100万円の場合、1億4400万円の価値があります。マイナーがマイニング報酬を全て売却すると仮定すると、この額の売りが出てくることになるのです。
しかし、マイニング報酬が半分になるとどうでしょう。市場で売却されるビットコインの総額は7200万円に減少します。買い手の総額が分からない場合、ビットコインの価格は上昇していくことになります。
これが、半減期でビットコインが上昇すると考えられている主な理由です。
「2度あることは3度ある!」けれど......
【過去の半減期での値動き】
【参考リンク】「ビットコイン信奉者、桁外れの上昇信じて来年の半減期に願いかける」(ブルームバーグ 2019年12月31日付)
では、過去2回に起きた半減期ではどうだったのでしょうか――。
仮想通貨が一般的に注目される前であった2012年も、マウントゴックスでのハッキングが起きた2016年の2回とも、半減期の前と後で上昇しています。
特に半減期の後の上昇が鮮明だったとブルームバーグが報じたことで、多くの投資家が知ることとなったと考えられます。
過去の半減期を迎えた後の、高値までの上昇率をみると、
1回目の半減期:82倍
2回目の半減期:22倍
になっています。
「2度あることは3度ある」です。
半減期の後にビットコインが上昇するのであれば、半減期を迎える前にビットコインを買っておこうという投資家心理がチャートになって現れていると言えます。
ただし、このまま上昇が続くとは限りません。新型コロナウイルスの影響もあり、株式市場は非常に大きく動いており、ビットコインも115万円まで上昇した後は100万円まで値を下げています。
また、ビットコイントレーダーでありテクニカルアナリストのRekt Capital氏は、半減期の前に非常に大きな価格変動があると、注意を呼び掛けて います。
なお、ビットコイン強気派で知られるアナリスト、トム・リー氏は2020年に100%以上のリターンを生むと予測 しているようです。つまり、160万円以上に上昇するということですね。
投資に絶対はないですが、半減期に向けてビットコインへの投資熱が高まっていることは間違いなさそうです。(ひろぴー)