新型コロナウイルスの感染拡大の影響とみられる繁華街などでの人出の減少が、全国的に広がっている。
位置情報サービス関連の事業を行うベンチャー、クロスロケーションズ(東京都渋谷区)が、独自開発した観測機能を使って実施しているモニタリング調査でわかった。2020年3月5日に発表した。
昨年12月と比較 京都・伏見の人出は40%減少
調査は、全国から集められたスマートフォンの位置情報のビッグデータを、AI(人工知能)を使って解析。2020年2月1~7日の人出と、新型コロナウイルスの影響がなかった19年12月1~7日の人出と比較。札幌や東京、大阪、京都などの観光地や繁華街で、25~30%減少していた。
具体的にみると、東京・銀座の人出は約25%減少。新宿歌舞伎町エリアでは約20%少なくなっていた。
札幌・すすきのエリアでは約30%減だった。ただ、札幌では他の観光地でも同じ程度の減少がみられるが、暖冬の影響も考えられる。
大阪や京都では2月初旬の段階では感染が抑えられていたが、外国人観光客の減少で、観光地や繁華街の訪問者は約25%減。なかでも、京都・伏見エリアでは1日うちで混雑のピークとなる午前10時の人出が40%もダウンしていた。
今回の調査は、2月初め。イベント自粛や施設の休業などが広まった2月中旬以降は外出が控えられている状況で、さらに2月26日には政府のイベント自粛要請などがあった。クロスロケーションズによると、減少幅はさらに拡大している可能性があるという。