イスやデスクの高さまでガイドしている
テレワークというと、一般的には自宅でパソコンなどを使って会社の業務を行う、在宅勤務を想定している。メンバーズのマニュアルでも、「原則、全員が在宅勤務」として「勤務に適した環境を整えましょう」とある。ただ、通勤しなくてもよいだけではなく「環境」を整えなくてはならない。
環境整備は、従業員だけではできないので、会社の支援が必要だ。たとえば会社のサーバーに接続して使用するシンクライアントパソコン、テレビ会議用のマイク、ヘッドセットなどを本社側でこれらのリモート接続を可能にする機器の用意が必要だ。
メンバーズのマニュアルでは、業務効率を考え、体格にふさわしいイスやデスクの高さなどまで、ガイドしている。
「在宅勤務」といっても、自宅を仕事場にできる従業員ばかりではない。マニュアルでは、ネット環境のあるカフェの利用なども案内されているが、勤務時間のすべてを過ごすわけにはいかない。会社では、場所を決めて「ドロップインオフィス」を契約し、その利用方法をガイドする。オフィスでもない自宅でもない、いわば公共の場であるドロップインオフィス。利用に際しては、セキュリティ上のルールも、事細かに決めておかねばならない。
次のような項目がリストされえいる。
・PCには必ずプライバシーフィルターを使用し、周囲から画面が見えにくいようにする
・会社、個人所有の携帯電話は必ずロックする
・電話の場合はブースなどに移動し、周囲に機密情報が聞こえないよう配慮
・シンクライアントPCの利用が必須。アップデートなどは事前に会社勤務の日に
マニュアルには、勤務ルールやセキュリティ、会議ルールのほか、契約書の代表者押印、社判押印、経理関連の対応など、オフィスではアクションが必要な処理をテレワークではどうやって対応すれば円滑に業務が推進できるかが記載されている。
メンバーズは、このテレワークの取り組みを、オリンピック大会時の交通混雑緩和を目指す「2020TDM推進プロジェクト」主催による企業向けセミナーにて成功事例として発表。また、19年11月には総務省主催の「令和元年度テレワーク先駆者」にも認定された。
メンバーズでは、テレワークの成果に繋がった「テレワーク導入マニュアル」を公開することで、「新型コロナウイルスの感染拡大防止の局面において、テレワークの導入を検討している企業・団体の皆さまにとって、広く活用いただければと思います」としている。