【襲来!新型コロナウイルス】「マスク難民」たちの怒りの声!「1週間に1枚の総合病院」「転売で1000万円儲け」

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   マスクはどこへいった!?

   新型コロナウイルスが猛威をふるうなか、日本中で「マスク難民」の行列がドラッグストアにできる異常事態が起こっている。

   政府は2020年3月2日、国民生活安定緊急措置法に基づき、マスクメーカーに国に売り渡すよう指示。まずは北海道に優先的に配布する方針を打ち出した。しかし、マスク不足は北海道より医療機関に深刻だという声がインターネットで広がっている。全国の「マスク飢饉」の状況をネットの声からひろうと――。

  • マスクを盗まれないようカギを(写真はイメージ)
    マスクを盗まれないようカギを(写真はイメージ)
  • マスクを盗まれないようカギを(写真はイメージ)

台湾の素晴らしいマスク管理システムに学ぶべきだ

   ネット上の意見でまず目についたのは、政府が「国内のマスクの供給量を月4億枚から布製も含めて月6~7億枚に増やす計画だ」と、胸を張ったことへの皮肉だ。

「だいたい月に4億枚って週に1億枚だよ。国民1人あたり(編集部注:日本の人口約1億3000万人)にすると、週に1枚だよね。今どき毎日換える人が多いのだから少なすぎないか」

というわけだ。

   マスクメーカーに増産を促すばかりでなく、新型インフルエンザ対策のために備蓄していた大量のマスクを放出すべきだという意見も多い。

「10年前にインフルの影響で備蓄したマスクがあるらしいが、野党の指摘でこれから使えるかどうか調べてみますって。そんなのがあったのも驚きだが、それを把握していないで、今さらこれから調べますって何のための備蓄なのだろうか」

   日本政府は、新型コロナウイルス流行と同時にいち早く手を打った台湾を学べという意見も非常に多かった。台湾のケースとは、こうだ。

「台湾に住んでいます。台湾のマスク管理システムが凄すぎてびっくりしています。台湾では、新型コロナ流行と同時に、すぐにすべてのマスクが国からの配給制になりました。マスク購入の際は、マイナンバーを提示して、1人当たり買える数が厳しく制限されています。マスクの在庫状況や入荷情報は、ウェブで30分ごとに更新されます。スマホのGPSと連携すれば、現在地から近い薬局の在庫が確認できます。入荷情報もウェブのマスク管理システムで、〇〇区のA薬局は朝9時から販売開始。B薬局は夜7時から販売開始、とかコメントが見られるので、働いている人も買いに行けます。この迅速なシステムや配給制の整備、日本も国がマスク管理をできるといいのですが」

   一方、日本はどうか――。混乱は、こんな状態だ。

「花粉が飛び始めて喘息がひどくなった。気管支疾患だがコロナウイルス持ちかインフルエンザかと思われ、どこへ行ってもマスク無しでは嫌な顔をされる。バスの中などは殺意さえ感じる。マスクがコロナの予防になるとは思えないけれど、早くマスクを手に入れないと、電車やバスの中が怖い」
「仕事が終わってから買いに行っても、どこにも何もありません。休日、ドラッグストアに開店1時間前から並んでも、運がいいと7~8枚入りパックは買えますが、滅多に箱は手に入りません」
「小売店です。平日は入荷のたびに暇なお年寄りが並んで買われて行きます。働き盛りの方々に回らなくて心苦しく思っています」

というありさま。年配者ばかり買うチャンスに恵まれ、若い世代に行き渡らないのだ。

北海道民もあきれる超過疎地のマスク全戸配布

安倍政権のマスク対策に北海道民はあきれ顔
安倍政権のマスク対策に北海道民はあきれ顔

   政府は、まずはすでに感染が広がっている北海道の北見と中富良野町に対して優先的にマスクを配布する方針を打ち出したが、ほかの都府県はもちろん、当の北海道民からも異論が起こっている。

「北海道はあくまで検査数に比例し感染者が多いだけで、他の都府県だって水面下には莫大な隠れ感染者がいるはずだ。まともに症状が出ている人を保健所が検査すれば、首都圏だって北海道並みには出ていると思う。コロナ以外にも花粉症で苦しんでいる人もいるのに、市場流通前に国に売り渡せは横暴ではないか。決して北海道に送るなと言うわけではないが、ほかに地域にも回してほしい」
「北海道民です。北海道の各家庭にマスクが郵送で送られるそうです。自分はドライヤーなどで高温殺菌して3~4日は使うようにしています。しかしそれよりも緊急的に困っている病院・介護施設や薬を使えない妊婦さんを優先するべきです。道民なら知っていますが、中富良野って、失礼ですが、下手したら人とすれ違うことがほとんどない人口密度。感染拡大のリスクは全国最低レベルでしょう。それなのに全戸配布って短絡的過ぎだと思います。この場当たり的な判断は誰がしているのでしょうか?」
「道民です。なんか五輪マラソンの時のように北海道が悪いように言われてスッキリしません。政府がメーカーに指示するって? 自分たちの判断ミスでこんな事態になったのだから、恩着せがましくするなって!マスクは北海道に優先しなくてもよいから本当に必要としている全国の医療機関へ回してほしい。もちろん転売されないようにして下さい」

同じマスクを1週間も使いまわす総合病院

医療機関にマスクを不可欠なのに(写真はイメージ)
医療機関にマスクを不可欠なのに(写真はイメージ)

   北海道民は自分たちより医療機関に回してほしいという人が多かった。その医療機関は悲惨な事態になっている。

「医療従事者です。病院に勤めていますが、マスクが足りないから元気なスタッフはしちゃいけないの。でも、熱がある人がどんどんやってくる。耳が遠い人はめっちゃ顔近づけて会話しなくちゃいけないんですよ。医療機関にマスクをお願いします。政府が買い上げたらますます品薄に?」
「ええっ、それはひどい!元気な人の定義は症状のない人ですよね?無症状でも人にうつすかもしれないから、エチケットとしてマスクをという話なのに。足りないのは重々承知ですが、上の考え方がおかしいです。毎日不安な中でのお仕事本当にご苦労様です。早く十分な量のマスクが行き渡りますように!」
「医療従事者です。マスクが入ってこなくなり、在庫が少なくなって、明日からエタノールで消毒して数日は使うようにと上から指示がでました。一瞬耳を疑いましたが、それだけ切実だということです」
「コロナ受け入れをしている都立の医療センターで働いています。こんな地域の拠点病院ですら、マスクの残りが少なく、1日1人1枚、N95(編集部注:微粒子用マスク)は在庫ギリギリで、血液などで汚染されるまで何日でも使い続けるようにとお達しが出ました。インフラがダウンした東日本大震災の時ですらこのようなことにはなりませんでした。マスクもアルコールジェルも、転売している人に言いたいです。私たち医療者が大量に感染して、結果的に医療が崩壊してご自分が不利益を被る前に、転売目的の買い占めをやめていただきたい」
「ウチでも新規入院患者が来て、どんな感染症抱えているか分からないのに、1日1枚の支給マスクが、今日からゼロになりました。コロナ以上に怖い感染症(高齢者だと結核患者など)を持っている方もいるので、毎日ヒヤヒヤです。コロナの受け入れているあなたのような拠点病院でもそんな状況ならば、私も贅沢は言えませんね。なんだか怒りを通り越して最近悲しくなってきました」
「総合病院で働いています。病院にマスクの在庫が数箱とのことで、1週間に1枚配布となり、3週間経ちました。その1枚もなかなかもらえる雰囲気ではなく、1週間同じマスクで過ごすことになっています。何日も使うとマスクはモケモケだらけです。口側に不織布を挟んでその不織布を何回か替えています。問診中でもインフルエンザやコロナかも知れない患者さんの咳がモロに顔面にかかるのです。中に挟んでいる不織布はかゆくなりますが、そんなことは言っていられません。不織布の替えでなんとかしのいでいる病院もあるので、ご参考になればと思います」

   そして、こんな怒りをぶつけるのだった。

「当方の医師会で調べたら医療機関の約半数以上がマスクを枯渇していますよ。安倍総理は台湾、香港、韓国ならマスクぐらい医療機関に満足に配布しているのに何故しないのですか!」

終戦直後の「闇米」と同じ「闇マスク」の横行

   いったい、マスクはどこに消えたのか。もちろん、転売目的で買い占めている連中が多いからだ。

「経済産業省はネットオークション事業者に協力を求め、マスクや消毒液の出品の自粛を要請したというが、いまだに何万枚という数のマスクが出品されています。これらの出品者を特定してマスクを押収して、医療機関に配ってほしい」
「出品者の特定、名前の公表。さらに罰則。独占禁止法とか不当売価での詐欺とか、何らかの法律違反に当てはまるはずだ。貸し金業者だって法定金利以上だと摘発できるのだから」
「マスクの転売屋は、雑誌やネットでの自慢話を読むと、この短い間に1000万円儲けたとか、まだまだ在庫があるとか、医療系問屋から横流しをしてもらっているとか、やりたい放題だ。違法な儲けは国税庁、古物商資格を取得していない個人が反復してマスクを売買取引しているのなら警察庁と、あらゆる国の組織が摘発するべきだ。非常事態を宣言して、断固取り締まってほしい」
「まあ法的な取り締まりは、今回の件には間に合わないが、今後のためにも転売に関してしっかり法整備をするべき。野党も与党の不手際を糾弾するのはよいが、並行して然るべき立法のために与党に協力するべきだ」

   そしてこんな意見もあった。

「終戦直後の配給米と同じだ。飢えた国民に対して米が足りない。金持ちばかりが米を買い占める。そこで政府が生産者から買い取って低価格で国民に配給する。それでも足りないから、法の網の目をくぐって闇米が出回る。マスクも、国より高く買って足りないところへ高く大量に売る。闇マスクだ!」

インフルで年間1万人死亡なのにメディアは煽りすぎ?

   なかなか腰を上げない政府に対して、こんな対策をアドバイスする意見が目立った。台湾を見習って国が前面に出て配給制度を実施するのだ。

「マスクは政府が工場から納入後、配給制にして配布すべきだ。その際、マイナンバー制度を今こそ使うべきだろう。市町村役場にマイナンバーカードを持参すれば1週間に1度だけ7枚受け渡し可能にする。カードを持っていない人は買えない。また必要であれば1週間後にまたカードを持参して役所へ買いにくる。こうすれば転売目的の買い占めをふせげる」
「選挙の時に有権者に配布する『選挙ハガキ』にマスク引換券をつける方法もいいと思う。選挙ハガキでの配給制だとほぼ全世帯に行き渡るし、そこからマイナンバー促進に繋げたらよいと思います」

   最後に、こんな意見も。

「マスコミの毎日毎日どこで誰が感染したという報道が日本中を煽っている面がある。だからフェイクニュースが飛び交って買い占めたり、品薄になったりする。皆インフルエンザのことをすっかり忘れているだろう。あれだって日本で毎年何百万人も感染して、数千人から1万人近くが亡くなっているけど、マスクが品薄になることなんて絶対なかった。マスコミが騒がないからだ。もっと冷静になってもいいんじゃないかな」

(福田和郎)

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