大きな視点で資産運用を考えることが大事
さらに、「長期的なポイント」をみてみます。
(3)自動化の加速と生産性の向上に期待?
中国では新型コロナウイルスの流行に伴う損失回避から工場のみならず、医療機関や物流施設など、さまざまな分野でロボットの活用が進むことが期待されています。中国のロボットメーカーは医者の代役となるロボットの開発を進めており、医者がロボットを遠隔操作して患者を検査することができれば、医者が感染することなく、ロボットと協働で長時間の診断が可能になります。
また、無人スーパーやスマート宅配ボックスの利用増加も見込まれます。人との接触なしに買い物ができ、QRコードを読み取ってボックスから品物を取り出すことができることから注目が高まっています。
日本では企業が従業員に対しテレワークによる遠隔勤務や時差出勤を積極的に推奨する動きがみられています。今後、日本においてテレワークが定着すれば業務の効率化が図られ、労働者の生産性の向上が期待されます。
このように、「災い転じて......」ではないですが、人が出社しなくても事業継続ができるような自動化や遠隔勤務などの必要性が短期間で強烈に認識された結果、あとから見たときに生産性革命を加速させる可能性が考えられます。
事態の一日も早い収束を祈るばかりですが、投資信託で長期の資産運用を行なう個人投資家は短期的な市場の動揺には冷静に対応することが肝要です。
過去を振り返ると、世界経済はさまざまな困難を乗り越え、その時々の環境に適応しながら拡大を続けてきました。「世界経済は意外にしぶとい」と前向きに、どっしりと構えて、大きな視点で資産運用を考えることを、オススメします。(日興アセットマネジメント マーケティング部 山口亮二)