50歳の誕生日を目前にしたYさんがやってきました。最近、モヤっと悩みがあるようです。さっそく聞いてみました。
「もうすぐ50歳。新卒で入社以来ずうっと、今の会社で働いています。2年前にふと『最近、会社の人しか会っていないな』と思ったことがきっかけで、社外との繋がりを求めて、時間があればセミナーや地域のイベントに積極的に顔を出しています。おかげさまで会社員の方やフリーランス、会社経営の方など色んな繋がりができました。
なかでも、同年代の方は経営者も多く、『そろそろ、会社作ったら』とか『何かやらないの? 独立するなら今でしょ』とか、けっこう軽い口調で言われるんですね。元SMAPの中居くんも独立を決めたし......。(笑)そんなこんなで、『そろそろ独立したいな』とも思ったりします。
もちろん、『そんなに簡単なものじゃないでしょ』と思いますし、うちは子供が高校生なので、金銭的にも思い切ったことはできません。どうしたらいいのかなぁ。なんて......」
会社員か起業か、そのどちらかという考え方は捨てる
どうもYさんの中では、会社員か起業かのどちらかしか選択肢がないようですね。しかも1年以上悩み続けているとのこと。実際、Yさんのような考えを持った方は多いように感じます。
50代はこれまでの経験やスキルが、ギュッと詰まった年代なので、起業して成功する可能性もあります。ある程度、子供の教育費の終わりも見えてくる年代でもあるので、起業しやすい年代とも言えます。
ただ、Yさんのように周りに流されて起業と考えるのは危険だなと思いました。
人生100年時代といっても、20代、30代、40代と比べると先は限られます。伸びしろは限られますよね。たとえば20代では、勢いで何とかなったものが50代ではそうはいきません。Yさんは子供が高校生なので、教育費なども頭に入れておかないといけませんよね。
50代だからと、会社員か起業かどちらかという考え方は、ひとまずいったん捨てましょう。一か八かと起業するのはいったん、ストップです。
50代は「あと」の人生も短い 「小さなことから進めてみる」のもいいかも
では、ずうっと考え続けているYさんは、いったい何をしたらいいのでしょう――。
まずは、持っている経験やスキル生かすために準備から始めましょう。「生かす」ことは、もう一度自分の人生を考えるということに繋がります。これまで会社のために、家族のために頑張ってきた自分を少し大事に考えてみましょう。自分を軸に考えてみることですね。
これまで我慢していたことなどもあるかもしれません。忘れようとしていたこともあるかもしれません。それが自分の人生を考えることに繋がります。
何のために起業したいのか。そもそも、起業したいのかどうかを考えてみましょう。「これからの人生で何を味わいたいか、その仕事を通してどんな感情を味わいたいか?」ということを考えることが重要なのだと思います。自分の味わいたい想い、経験やスキルの掛け合わせを考えてみることです。
現在は副業や複業(ダブルワーク)などの、さまざまな働き方が増えていていますが、どちらも本業以外の仕事です。ちなみに、副業はあくまで本業のサブ的な仕事を指し、複業はどちらが本業か区別できないような仕事をいうようです。
本業を続けながら、同時に資金をかけずに小さなことから始めるのも、一つの方法です。「人生はいくつになっても挑戦だ」という人もいるかもしれませんが、50代はあとの年齢も見えているので、失敗を小さくする努力も大切です。
最初は自分ができることに関しての相談などから始めてもいいですし、お客さんの反応を見ながら変更していき、どんどんブラッシュアップしていきます。その前に、準備として、お客様のターゲットを決めるなど、Yさんやることはたくさんありますけどね。(ひろ子ママ)