会見下手の経営者は中居さんを見習え!
<ポイント2 気遣いをみせることによる引き込み>
中居さんは、周囲の誰もが口をそろえるほど、ふだんから気配り屋で気遣いのある人なのだといいます。今回の会見でも、予定開始時間よりも早く登場して、自ら前説的な役割を買って出ることでカタくなりがちな場の雰囲気を和らげたり、あえて司会者を置かず自ら進行役を務めたりすることで、記者との距離を直接縮める努力をしているのがよくわかりました。
気遣いとは、相手に対して待ちの姿勢ではなく、自ら動くこと。こちらから動くことで、相手に不要な心配や不安を与えない。それが相手に対して何よりの気遣い、気配りになるわけなのです。
先手を取られ、相手の自分に対する気遣いを感じさせられた側は、相手に対する警戒心や対抗心から解き放たれ、圧倒的な距離感の短縮を感じることになるでしょう。中居さんの気遣いの数々は、そんなことを教えてくれています。
<ポイント3 ごまかさない正直さに対する好感>
会見の受け答えでの中居さんは、会見下手が多い企業経営者に見習ってほしいと思うほど、見事な対応であったと思います。ポイントは、「正直であること」「ごまかさないこと」「逃げないこと」です。終わってから、よくよく考えたら、「なんとなくうまくかわされた」ということでもいいのです。聞き手に不快感、不満足感を残さないということが重要です。
「ノーコメント」として質問を突っぱねたり、訴訟や捜査を理由に「その点に関しては、コメントを差し控えさせていただきます」などと言って、その場を逃げるのは、一見筋が通っているようで、じつはものすごく取材サイドに不快感、不満感が残る受け答えなのです。
不快感、不満感が残れば、同じことを報道するのにも、書き手のトーンはまったく変わってしまいます。会見を開いたことで、かえって批判的なトーンで報道されてしまうというケースは、たいていはこの点で失敗しているものです。