役立つヒントが満載! 元SMAP中居さんが退所会見でみせた「逃げない」姿勢を学べ(大関暁夫)

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   国民的アイドルグループのリーダーだった元SMAPの中居正広さんが、所属していたジャニーズ事務所を、2020年3月一杯で退所することになり、記者会見を開きました。

   この会見がなかなかの評判で、中居さんの人柄、いや「人たらし」と言えそうなぐらい、好感度の高いやり取りが各方面で大絶賛されました。私もYouTubeで全編見返してみましたが、上司の部下との信頼づくりや経営者の取引先との関係づくりに役立つヒントがあるように感じましたので、そんな観点からこの会見のポイントを探ってみます。

  • 経営者は中居正広さんの「逃げない」記者会見に学べ!(写真は、2020年2月の退所会見)
    経営者は中居正広さんの「逃げない」記者会見に学べ!(写真は、2020年2月の退所会見)
  • 経営者は中居正広さんの「逃げない」記者会見に学べ!(写真は、2020年2月の退所会見)

「リスペクト」する気持ちの表し方

<ポイント1 恩義を示すことの共感>

   事務所からの独立、退所というと、とかくトラブル、ケンカ別れ、自分勝手...... のような悪いイメージで捉えられがちなのですが、中居さんの独立・退所は過去に例のないほど好意的に受け入れられているようです。

   その大きな要因と言えるのが、故ジャニー喜多川氏に対する「恩義」と氏に対する感謝を全面的に表しつつ、今回の発表に臨んだということがあるように思います。

   中居さんのジャニーさんに対する「恩義」とは、ジャニーさんなくしてSMAPも中居さんも存在し得なかったということを、これまでもことあるごとに言葉にするだけでなく態度で示してきたこと。そして今回の会見では、なんとジャニーさんの遺骨の欠片をミニチュアボトルに入れてお守り代わりに大切にして持ち歩いていることを明らかにしました。私はテレビのニュースで会見のVTRを見ましたが、驚きとともにある種の感銘すら受けました。

   尊敬する人や、お世話になった人に対する「恩義」やリスペクトの気持ちを周囲に見えるように表明することは、ほぼ間違いなく好意的に受け入れられるものです。「恩義」やリスペクトの表明は、感謝の気持ちを忘れない人間であるということや、高慢さとは正反対に位置する謙虚さや真摯さをイメージさせることにつながるからです。自分が誰に「恩義」を感じ、あるいは感謝の気持ちを抱いているのかは、遠慮なく表現して何の問題もない、いやむしろ積極的に表現すべきなのだと教えられた気分です。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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