動き出した2021年卒の就活 「就活ルール」の廃止で就職したい企業・業種ランキングに変化は?

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   2021年3月に卒業予定の大学生が就職したい企業、業種の第1位は「地方公務員」、2位に「国家公務員」、3位は「グーグル」...... こんな結果がまとまった。

   今年も来春卒業予定の大学生を対象にした会社説明会が、3月1日に解禁されたが、今回はいわゆる「就活ルール」が廃止されて初めての就活シーズンだ。法人向けの与信管理サービスのリスクモンスターが、そうした変化などをみようと調査。「就職したい企業・業種ランキング」を、2020年2月28日に発表した。

  • 企業はたくさんあるけれど、就活生の希望は人気企業に集中傾向
    企業はたくさんあるけれど、就活生の希望は人気企業に集中傾向
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文系に人気、航空・旅行大手

   調査によると、「就職したい」企業や機関についての質問(複数回答)で、最も回答が多かったのは「地方公務員」の26.7%。2位の「国家公務員」は16.8%。民間企業でトップだった「グーグル」は9.2%だった。

   このトップ3は、昨年の調査と同じ顔ぶれ。順位も同じだった。就活ルールが廃止されるなどの変化があった2021年卒の就活生だが、上位に変動はなかった。

   しかし、民間企業か公務員かの志望別を聞くと、約6割が「国内民間企業」(59.0%)と回答。「公務員」と答えたのは20.4%で、だいたい5人に1人の割合だった。

   「公務員」志望は、文系(22.1%)のほうが理系(18.4%)より高く、男性(22.5%)のほうが女性(18.6%)より高い傾向にあった。

   トップ3の選択理由をみると、地方公務員は「安定している」「地元に貢献したい」など、国家公務員ではやはり「安定している」「国に貢献したい」という声が寄せられた。グーグルは「最先端の企業」「働きやすそう」という評価だった。

   4位以下をみると、4位に「味の素」(6.9%)、5位「アマゾン」(6.6%)、6位は「日本赤十字社」と「LINE」(ともに6.4%)、8位「明治」(5.1%)、9位には「日本郵便」「花王」「大塚製薬」(いずれも4.1%)が並んだ。

   また、20位までを業界別でみると、飲料・食品のメーカーが6社と最多。味の素、明治のほか、キユーピーと森永乳業、日清食品、サントリーが3.8%で12位に並んだ。次いで、IT関連(グーグル、アマゾン、LINE)と医療関連の3社ずつ。医療関連では、日本赤十字社、大塚製薬のほか、武田薬品が3.3%の回答率で18位にランクされた。

   学生にとって、日常生活で身近な商品やサービスを扱っている企業に人気が集まった。

「OB/OG訪問」がグンと増加

   文系、理系の別でランキングをみると、文系学生では、全日本空輸や日本航空、JTB、エイチ・アイ・エスなど航空会社、旅行サービス関係の企業が20位以内にランクイン。理系学生では、味の素や明治、キューピーなどの飲料・食品のメーカー6社にヤクルトを加えた7社、医療関連は日本赤十字などの3社にアステラス製薬を加えた4社がランクインし、花王や旭化成などを合わせ、トップ20には生活に関係する会社が顔をそろえた。

   調査では、就職希望の企業や職種のほか、活動の時期や内容についても聞いた。就活開始の時期では、「大学4年生」(37.4%)が最も多かったが、「大学1、2年生」(16.8%)が2位となるなど、大学3年生前期(4~9月)以前の割合が39.2%と、前回(28.2%)から11ポイントも増加。リスクモンスターでは、「就職活動の開始時期を自由とするようになり、学生の就職活動開始時期が早期化している様子がうかがえる」と指摘した。

   就活の具体的なアクションを聞いたところ、企業へのインターンシップの参加」64.4%)が最多。次いで「OB/OG訪問」(49.4%)、「合同企業説明会などイベントへの参加」(33.1%)と続いた。

   前回の調査で「OB/OG訪問」は22.7%だったが今回は大幅に上昇。「就活ルールの廃止により、企業はインターンシップを開催する前の早い時期からOB/OG訪問を積極的に活用しながら学生にアプローチしていることが考えられる」という。

   なお調査は、リスクモンスターが各業界の大手企業・組織200社を抽出。2021年3月卒業予定の大学3年生を対象に、インターネットで「就職したい企業・業種」を聞いた。393人から、有効回答を得た。

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