障害者政策は喫緊の課題
本書は、3人の専門家が受給するための要件、煩雑な手続きについて、わかりやすい言葉で説明しています。また、障害年金だけではなく、その他の給付や福祉サービス、成年後見制度や民事信託の活用など親亡き後の生活の支援までを網羅しています。
筆者は、障害者支援活動を行なっています。障害者年金はハード面でのサポートになりますが、ノーマライゼーションを浸透させるには、ソフト面における意識改革も重要です。
「ノーマライゼーション」は、デンマークのバンク=ミケルセンによって提唱された概念になります。「障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、本来の望ましい姿である」というものです。国際障害者年(1981年)の国連決議を経て、今では社会福祉の基本的な考え方として理解されています。
内閣府の「平成29(2017)年度障害者白書」によると、身体障害者は392万2000人、知的障害者は74万1000人、精神障害者は392万4000人とされています。国民の6%が何らかの障害を有するとも言われるなか、障害者政策は私たちにとって喫緊の課題です。
なお、筆者は表記について「障害者」を使用し、「障がい者」は使いません。過去に多くの障害者が権利を侵害されてきた歴史が存在します。それらの歴史について、言葉を平仮名にすることで本質がわかりにくくなる危険性があるので、「障がい者」を使用しないことにしています。障害者政策は私たちにとって喫緊の課題です。(尾藤克之)