若いビジネスマンの「読解力」低下 向上のために必要なのは「語彙力」と「文章力」

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句読点にもルールあり

   ビジネスの現場で健全なコミュニケーションができるようになるため、どのように読解力を養成するのか。読書が当たり前なことではなくなった現代では、以前のように、手あたり次第に読むことなどを強制できないだろうと著者。そうしたなかで、読解力をつけるために「もっとも効率的な方法」と提案されているのは「言葉を実際に使うこと」「文章を書くこと」。つまり「語彙力」と「文章力」をつけることだ。

   言葉を知らなければ、文章も相手の言っていることも理解できない。しかし「語彙力」といっても、故事成語のような熟語や難読漢字を覚えるということではない。読解力が不足している人は、一つひとつの言葉の辞書的な意味が理解できないのではなく、その連なりを理解できないのだという。「言葉の辞書的な意味を覚えることが問題ではない。言葉を自分のものにすること。使えるようにすることが問題なのだ」。そのために必要なのは「言い換え力」。「車イスのまま食事できること=バリアフリー」のような知識を豊富に持つことだという。

   もう一つ、読解力をつけるための「切り札ともいうべき決定的な方法」とは「文章を書くこと」。文章はまず書いてこそ正確に読み取れるようになると著者。スポーツを引き合いに「野球やサッカーなど、いくら見方を覚えても、実際にプレーしなければ深く見ることはできない。テレビ中継を見続けていれば、解説者をマネしていっぱしのことを言えるかもしれないが、そこには何の裏づけもない」という。

   「語彙力を鍛える」「文章力を鍛える」のセクションでは、それぞれトレーニング問題を収録。「文章力を鍛える」では、基本型となるパターンから句読点の配置まで詳しい指導が示されている。こうした著者の指導は、19年の講座でも非常に好評を得たという。

「『頭がいい』の正体は読解力」
樋口裕一著
幻冬舎
税別780円

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