「読解力なし」はクレーマー予備軍
こうした時代の「産物」とみられるのが、「クレーマー」と呼ばれる人たち。文章を読むことがなく読解力が身に付いていないから、状況にも周囲の人々の思念にも思い至らず、自分が正しいと信じて我を通す。「周囲の常識的読み取りができずに、孤独な攻撃をしているのではないか。クレーマーといわれる人たちに読解力テストをしたら惨憺たる結果が出るのではないか」という。
著者が講師を務める文章講座にも、こうしたクレーマーのような受講生がいた。講義の内容について、実際にはない「矛盾」を指摘、現実には考えられない状況を設定して質問をいつまでも続ける。課題の小論文試験ではまったく的外れな内容で提出し、著者の添削に納得することがなかったという。
この人物のバックグラウンドは定かではないが、読解力が足りないことは間違いないようだ。読解力をきちんとつけ、文章を読み取れるようになれば、状況も人の心も読み取れるようなるはずで、周囲と健全なコミュケーションがとれるようになるのが、ふつうだからだ。