今年の新社会人の特徴は? 調査でわかった「デジタルネイティブ」の光と影

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組織や人事情報は気にとめない?

   入社前までの内定期間中に「会社から受けたいサポート」についての質問(複数回答)では、「マナーや仕事の進め方など、社会人としての基礎を教えてほしい」(52.3%)と「業界の専門知識や専門スキルを教えてほしい」(44.0%)が、1位と2位。入社までに基本的な知識やスキルを身につけたうえで臨みたいという思いがにじむ。

   その一方、3位以下に「先輩社員との人間関係を築く機会がほしい」(35.5%)や「内定者との人間関係を築く機会がほしい」(25.1%)といった回答が並んだところからは、やはり自分自身に向ける注意のほうが大きいようだ。

   また、「会社の組織体制がどうなっているか教えてほしい」(14.4%) や「会社のキーパーソンについて教えてほしい」(6.4%)などの項目を選んだ割合は低く、調査したラーニングエージェンシーは、「社会人にとって仕事をスムーズに進めるうえで欠かせない組織や人事の情報について、まだ学生である内定者はそれほど気にとめていない様子がうかがえる」と指摘した。

   調査結果について、同社は「今年の内定者は仕事への意気込みは高いものの、自分の能力に不安を感じていること、その不安を払拭するためか、事前の知識インプットを求めていることがわかった」とし、このことは「若い世代の『何かをするなら失敗したくない、先に答えを知りたい』という習慣からきているといえる」と分析した。

   内定者は、いわゆる「デジタルネイティブ世代」に当たる。スマートフォンなどのデジタル端末を持ち歩くことは習慣になっており、ビジネスマナーや社会人としての基礎知識もいつでも調べられるはずだが、「まだ社会人になっていない内定者にとって、多くの情報から必要な情報を取捨選択するのは難しい。入社という大切な場面において、より確実な情報を得たいという気持ちが、『社会人としての基礎を教えてほしい』という回答にあらわれたと考えられる」という。

   この結果を踏まえて同社では、4月に新卒者を迎える企業に対して「人間関係の構築以上に、内定者の学習意欲の高さや不安解消に応える『知識やスキルの習得機会』を与えることが、内定者フォロー成功のポイントとなりそうだ」と、アドバイスしている。

   なお調査は、ラーニングエージェンシーが実施している内定者研修の受講者が対象。サンプル数は、1121人(男性582人、女性512人、不明27人)だった。

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