「熱が出たら休め」は非正規雇用にとって死活問題だ
政府は、テレワークの宣言とともに「熱を出したら休め」とも推奨したが、時給で働いている非正規雇用の人たちにとって、生計を失う死活問題だという指摘が多かった。
「朝のニュース番組で、識者が『熱っぽくてもすぐに医療機関を受診せず、有給とって自宅待機してください』と言いだした時、怒りに震えました。シングルマザーの私の場合、パートで年次有給休暇が発生するまでに半年の雇用期間が必要ですが、2か月前に転職したばかり。中学と高校の2人の子供を養うだけで手一杯の生活。熱が出たからと休んでいたら、来月からの生活に困ります。結局、政府が見ているのは正社員の人たちばかりなのですね」
「『テレワークしろ』『休め』というが、それができる正社員はいいですが、時給で働いている私たちからすれば、公休有給休暇以外で休めば、その分収入が減り、生活に影響がすぐ出てしまう。そう簡単に休むわけにはいきません」
「現場接客業のパートの私は、上司から言葉巧みに『治るまでしっかり今月は休んでほしい。何も補償はないけどね』と言われて休んでいます。しかし、今月の収入は何もないので、来月が最悪状態。国がその分を補償するか、会社にさせるか、補償問題はもっと議論されるべき。でないと、熱があっても職場に出ていく人がいっぱいでます」
「私は現場サービス業のパートをしています。不特定多数のお客様が屋内に集まるため、約半月の休館が決まり、自宅待機になりました。その間の補償は何もありません。イベントの自粛を要請したり、テレワークを推奨したりするのは簡単でしょう。でも、日給や時給で働く非正規雇用者の収入がその間途絶えることは、上級国民である政治家にはそれがどういう意味を持つのかわからないでしょうね」